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一途で素敵な『辺境伯様』に溺愛されて幸せです

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私はその日の朝、『辺境伯様』こと、ウィリアム様と寝室で二人きりでいました。

朝日が差し込んできます。

まるで夢のようです。あんな野獣のような見た目をしたウィリアム様がこんな素敵な殿方だったとは。

何度見ても信じられない事です。私は未だに夢でも見ているのではないでしょうか?

「どうしたんだい? シャーロット」

 食事中、呆けている私を見てウィリアム様が訊ねてきます。

「何でもありませんわ、ウィリアム様」

「何でもなくはないよ。君は心配そうな顔をしているよ。どうかしたのかい?」

 ウィリアム様は優しい口調で私に語り掛けてくるのです。

「不安になるのです」

「不安? どんな不安だい?」

 今も屋敷の周りは大勢の人々が詰めよしてきます。ここら辺がまるで観光名所にでもなってきているようです。

 心と同じように見た目も素敵になった『辺境伯様』を一目見ようと各地から人々が詰め寄せてきています。

「それはもう、ウィリアム様は大変素敵な外見になられましたもので……やはり不安です。永遠の愛を誓い合ったとはいえ、やはり人間の気持ちは移ろいやすいものなのです」

 私は不安げにその胸中を告げます。

「なんだ……そんな事か。シャーロット」

「ウィリアム様」

 ウィリアム様は私を優しく抱きしめるのです。

「君の僕に対する気持ちは移ろうかい?」

「移ろいません……絶対に。私のこの心はウィリアム様のものです」

「私だって同じだよ。私のこの気持ちはシャーロット、君から永遠に離れない。そう結婚式の時に誓ったじゃないか」

「ウィリアム様」

「シャーロット」

 永遠なんてものはどこにもない。そして未来は不確かなものでした。

 ですがその時私達は自分達の愛が、この気持ちが永遠のものなのだと信じ、唇を交わします。

 未来の事は誰にもわかりません。ですが、今この瞬間の事ならわかります。

 私は笑みを浮かべます。それも満面の笑みです。

「シャーロット……君はそうやって笑っている方が素敵だよ」

 ウィリアム様も笑顔を浮かべます。

 今のこの私の気持ちだけはわかります。そう。

 私は一途な素敵な『辺境伯様』に愛されて、最高に幸せな気分なのでした。
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