Ms.ジョッキー 〜落ちこぼれ少女、騎手になる〜
勉強もスポーツもできず、人と上手く接することのできない超絶不器用を自認する”あい”は、中学に進学しても友達ひとりつくれずにいた。
そんなあいが、唯一心を許せる相手は、綾(あや)という名の馬だった。綾とは幼少から姉妹のように育ち、あいの心の拠所であった。
あいは綾のいる牧場に通ううち、自然と馬の言葉を身に付け、裸馬を乗りこなすようになっていた。
やがて、テレビ中継で競馬中継を目にしたあいは、騎手に憧れを抱く。
「誰かの期待に応えられる人間になりたい。誰かを喜ばせられる人間に、私はなりたい」
周囲からは見向きもされず、「透明人間」のような自分を変えたい、と切なる願いを抱き続けていたあいは、中学二年の冬に、元騎手という男と出会う。
その壮年の男、天道は、かつて天才の馬乗りと謳われつつも、病による視力低下で志半ばに現役を退かねばならない過去があった。
「あい、君なら、騎手になれる」
あいは天道に勇気をもらい、競馬学校への入学を決意する。
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