伯爵家の次男に転生した(元)魔王ですが、兄(跡継ぎ)がポンコツなので補佐として暗躍します


 ヘレステア王国南部、ヴェリエ伯爵家の次男であるシリル・ド・ヴェリエには、六つ歳上の兄がいる。名前はフェリクス・ド・ヴェリエという。

 次期伯爵である兄・フェリクスは、自他共に認めるポンコツで、剣もダメ、勉強もダメ、おまけに気弱でヘタレであった。そのくせ容姿が良く女性にモテるために女癖が悪かった。

 しかしヴェリエ家は代々王家の右腕と言われ、様々な分野の優秀な人材を輩出してきた。また交友関係も広く他国にまで独自の情報網を持つ外交の要でもあった。

 フェリクスが成長するにつれ絶望感を強くする両親や家臣たちだったが、そんな兄をみかねたシリルは仕方なく影から兄を支えようと暗躍する。

 シリルには前世の記憶と力があったのだ。その知識を利用すれば、十分に兄の役に立つことができる。

 しかし、シリルの前世は決して人にバレるわけにはいかなかった。そして叶うなら、今生はできるだけ平穏に生きたかった。

 シリルは、百年前に勇者に倒された魔王の生まれ変わりだったのだ。


タイトル少し変更しました

第15回ファンタジー小説大賞にエントリーしています
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