台本の外のミリメートル~ビジネスカップルだったはず。撮影終了ボタン、どこ?~
カップルチャンネルの台本は、いつもシンプルだ。
隣に立つ彼、水瀬遼が、カメラの前だけ甘い「恋人」の顔になることも、録画が切れた瞬間にミリ単位の隙間を引く冷徹な男に戻ることも、全部わかっていた。
わかっていたのに。
「……息、忘れてるよ」
マイクぎりぎりの掠れた声で囁かれた日から、何かが違う。
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