紬ぐ想いの場

田舎から電車で通う女子大生・紬(つむぎ)。
人に優しいけれど、自分の外見にコンプレックスがある。
いつも窓の外の景色を見て心を落ち着かせている。

近くの大学に通う青年・湊(みなと)。
周囲に壁を作りがちで、無愛想に見られることも多い。
でも本当は、一度心を許した相手には真っすぐで誠実。

通学電車の中――毎朝7時32分、同じ車両の中、いつも一緒の男の子。

肩や横顔の輪郭、揺れる彼の髪以外はっきりとは見えない。

ただ、記憶の中にある嫌なものを思い出すことの無い彼の雰囲気は不思議と落ち着く。
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