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第十五章 明かされた秘密
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「申し訳ございませんでした」
アルベール様が、再び謝罪される。そこへ、取りなすようにミレー夫人が口を挟まれた。
「あなた、アルベールの気持ちも考えてあげて。バルバラ夫人の麻薬使用が発覚すれば、罰を受けるのは、彼女だけでは無いかもしれないわ」
ミレー公爵が、言葉に詰まられる。このモルフォア王国で、麻薬使用は大罪とされている。そのため、連座制で、麻薬使用者の配偶者も処罰を受ける場合があるのだ。
「使えなかろうが害悪だろうが、モニクにとってサリアン伯爵は、実のお父上です。ローズ嬢を除けば、唯一の肉親でもあります。私は彼を、何としても庇い通したかったのです」
アルベール様が、静かに仰る。
「とはいえ、父上の仰る通りです。私情に駆られて、犯罪者を庇うなど、騎士失格でございます。いかようにも、ご処分を」
ミレー公爵は、しばらく黙っておられたが、やがてかぶりを振られた。
「……もうよい。それに私はもう、お前を処分する立場ではいられない」
「どういう意味でございます?」
アルベール様が、怪訝そうにされる。いや何でも、と公爵は仰ると、私をご覧になった。
「モニク嬢。私は王立騎士団長として、このリストを見逃すわけには参りません。サリアン伯爵も、何らかの処分を受ける可能性がありますが、お覚悟いただきたい」
「構いませんわ」
私は、きっぱりと申し上げた。
「バルバラ様が罪を犯されたのは、事実。その夫である父が責任を問われるのも、致し方ありません。……そして、アルベール様」
私は、アルベール様の方を向いた。
「お気遣い、ありがとうございます。でも、私の身内は、もう父だけではありませんわ」
アルベール様だけでなく、その場にいた全員がハッとした顔をされる。私は、彼らを順番に見つめた。
「アルベール様は、間も無く私の夫になられます。彼のご両親と弟君も、当然私の家族でございましょう? 末永く、よろしくお願いいたします」
深々と頭を下げれば、彼らの瞳は、やや潤んだように見えた。
アルベール様が、再び謝罪される。そこへ、取りなすようにミレー夫人が口を挟まれた。
「あなた、アルベールの気持ちも考えてあげて。バルバラ夫人の麻薬使用が発覚すれば、罰を受けるのは、彼女だけでは無いかもしれないわ」
ミレー公爵が、言葉に詰まられる。このモルフォア王国で、麻薬使用は大罪とされている。そのため、連座制で、麻薬使用者の配偶者も処罰を受ける場合があるのだ。
「使えなかろうが害悪だろうが、モニクにとってサリアン伯爵は、実のお父上です。ローズ嬢を除けば、唯一の肉親でもあります。私は彼を、何としても庇い通したかったのです」
アルベール様が、静かに仰る。
「とはいえ、父上の仰る通りです。私情に駆られて、犯罪者を庇うなど、騎士失格でございます。いかようにも、ご処分を」
ミレー公爵は、しばらく黙っておられたが、やがてかぶりを振られた。
「……もうよい。それに私はもう、お前を処分する立場ではいられない」
「どういう意味でございます?」
アルベール様が、怪訝そうにされる。いや何でも、と公爵は仰ると、私をご覧になった。
「モニク嬢。私は王立騎士団長として、このリストを見逃すわけには参りません。サリアン伯爵も、何らかの処分を受ける可能性がありますが、お覚悟いただきたい」
「構いませんわ」
私は、きっぱりと申し上げた。
「バルバラ様が罪を犯されたのは、事実。その夫である父が責任を問われるのも、致し方ありません。……そして、アルベール様」
私は、アルベール様の方を向いた。
「お気遣い、ありがとうございます。でも、私の身内は、もう父だけではありませんわ」
アルベール様だけでなく、その場にいた全員がハッとした顔をされる。私は、彼らを順番に見つめた。
「アルベール様は、間も無く私の夫になられます。彼のご両親と弟君も、当然私の家族でございましょう? 末永く、よろしくお願いいたします」
深々と頭を下げれば、彼らの瞳は、やや潤んだように見えた。
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