運命に見捨てられた公爵令嬢と当て馬王子の場当たり的結婚のはじまりについて
「私の運命は、ユゼフィーナではないのです」
ユゼフィーナ・サンクトリウス公爵令嬢はエズオスパルド王国第一王子ディアドレとの婚約をあっけなく解消されてしまった。彼の次のパートナーとなるのは一年前にあらわれたこの国唯一の聖女ミリアだ。
ユゼフィーナはこのことを振り返り「もっと自由に生きてみればよかった。来世では他人を振り回してでも自由に生きる」と誓うが、その来世は彼女が思うよりもずっと早くに訪れた。
――お前とフェルナンド第二王子殿下の婚姻が決まった。
「あなたが望まない限り、私はあなたに触れようとしません。今ここで誓います」
場当たり的にユゼフィーナとの結婚を決められた第二王子フェルナンドは品行方正な人物であると聞き知っていたが、その心優しさは、聖女ミリアに『当て馬』と呼ばれてしまうほどのもので――?
「ぜひ、わたくしに触れていただきたいのです」
「ユゼフィーナ嬢、……誘惑しないでください」
これは転生された側の脇役が場当たり的結婚の末に行きつく運命のはじまりについての物語。
「ユゼフィーナ、僕はあなたが好きだ。あなたが側にいるなら、この世の全てを捧げてもいい。あなたを愛している。今後誰があなたの運命を名乗ろうが、僕には関係ない。残念ながら僕はもう手に入れたものを手放す気がないし、あなた以外にはまったく興味がないんだ」
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