Aの王国
※ブロマンス風味のSFです。
西暦5613年。人類が人類であり続けることをやめてから約千年が過ぎた。
不老不死の夢を追い続けた人類は、人類という種族を捨て、今や二つの種族へと進化していた。
工藤製薬が生み出した新薬を用い、細胞を未来永劫再生させる力を人体に取り入れた種族、アンデッド。
クロイツァー製の機械身体を持ち、そこに自らの記憶や感情、思考回路の癖などを付与した電子チップを埋め込んだ種族、アンドロイド。
彼らはヒトであって、ヒトでなく。強いて言うならば、かつてヒトであった新型生命体である。
彼らが地球に存在し始めてから数千年の時間を経て、元々のパーソナリティがどれほど自我に影響を残しているのかすら解析不能となって久しい。
千年前に終ぞ最後の純真たる人類がその命を引き取り、後に残されたのは人類の究極の科学が生み出した不老不死の者たちだけであった。
永遠に終わらない命に、娯楽と愉悦、それから刺激を求めて直親とミヒャエルはハコニワ・メンタルクリニックを開院したのだった。
彼らの元には毎晩大小様々な依頼がやってくる。
それは時として精神医療の領域外にあるものだったりもした。無論、ヒトではない彼らの提示する「精神の健康」ほど猜疑的な概念はないのだが。
西暦5613年。人類が人類であり続けることをやめてから約千年が過ぎた。
不老不死の夢を追い続けた人類は、人類という種族を捨て、今や二つの種族へと進化していた。
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