余命の戦旗
元自衛隊戦術教官・桐島烈、享年四十二歳。
気づけば異世界アルデニア大陸の最前線、壊滅した小隊の唯一の生き残りとして目を覚ました。
魔族の大軍が三王国を飲み込み、人間側の同盟軍は腐敗と混乱で崩壊寸前。
烈の武器は剣でも魔法でもない——現代の戦術理論と、四十二年分の判断力だ。
だがこの世界には「刻印術」と呼ばれる身体強化魔法が存在した。
烈の肉体に宿ったその力は圧倒的で、そして残酷だった。
全力を出すたびに、寿命が削れる。
勝利と死が、等価で交換される。
誰も無駄死にさせない。全員を生かして帰す。
その誓いを胸に、元教官は一兵士から大陸の命運を背負う指揮官へと——あるいは、その前に寿命が尽きるか。
王道の熱さと、静かな絶望が交差する本格軍記ファンタジー、開幕。
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