【完結】悪役令嬢ライザと悪役令息の婚約者

マロン株式

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第3章学園入学

破滅シミュレーションゲーム⭐︎ミッション発生3

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「あら貴方、ちょーど良いとこに来たわね。」

「はい?」


 ライザの肩を掴んで、皇太子の元へ引き寄せられた時、周りの黄色い歓声の後に高らかに宣言された。


「この子がルイス様の婚約者よ!ルイス様が欲しいのなら、まずはこの子を倒して行きなさい!」

「はい?」

(教室の中心で何か叫ばれた。。)

 教室中の視線が私に注がれている。心なしかヒロインの顔も引き立っているように見える。

 このままでは、ミッション1から失敗してしまう。ミッション1って、普通の乙女ゲームなら簡単にクリア出来るお題のはずだけど、やはりヒロインと仲良くは序盤から欲張りすぎたのであろうか。


 ヒロインはこのシュールな状況に怯えてしまったのか、目に涙を浮かべている。まぁ散々虐めたしな、皇太子が。

「あ、あの…ごめんね、違うんだよ。ルイスと仲良くしようがそれは貴方の自由にしていただいて、全然構わんよ。私は……。」

(ま、まずい。良く無いぞ。この流れは…。)


ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

ーさて、そう言う訳で私達は交流を深める為にヒロインと共に孤児院へ来る事となった。

(本当に何でこうなったんだろう。)

 ヒロインと仲良くなるには放課後も会えると言うのはとても良いが、危険度MAX破滅フラグ2名をヒロインに近付けるつもりはなかった。

 いやもう、2人ともゲームと違うから諦めてヒロインとは、私達3人で仲良くなる他ないのか?それって本末転倒してないか?

 でも良く考えたらこの2人は何だかんだ、学園に入学して1ヶ月ずっと休み時間の度に私の元に来ていた。


 御蔭で悪役令嬢の取り巻きどころか女友達すらいない。客観的に見たらクラス1のイケメン2人を両手に抱えた美少女。
 これ以上無く感じ悪いだろう。敵が原作乙女ゲームより多くなるのでは無いだろうか?


 これはこれで不味いと思う。もし此処でヒロインを仲間に出来れば同性の友達も出来てミッションもクリア出来て一石二鳥とは…ならない。

(いや、何のためのミッションなの?
これで破滅フラグ2人にヒロインを近付けるって。何の意味も無くない?…そうだ、無いよ!!しまった!)

 
 展開が意味分からなすぎて、ライザの思考が追い付くのが遅かった。

 そんなライザの気持ちとは裏腹に、いつの間にやらヒロインが部活のない日にボランティアに訪れていると言う孤児院に4人で到着してしまった。   


 私達がヒロイン…いや。イリンの後ろにくっついて行くと、イリンは子供達に明るい声で呼びかけた。

「皆~!今日は美味しいクッキー持ってきたよ!!」


子供達
「「「わぁ~!おねぇちゃんありがとー」」」

  そういや皇太子ルートのイベントで孤児院へのボランティアに来て好感度あがるってのあったな。
ルイスルートにもあったか。

 これって、イベント通りに進んでるの?


(もう分からないから流れに任せよう。)←思考を投げた。

 
 イリンを取り囲む子供達を眺めながら、自分の子供に対するスキルが無いことを思い出した。嫌いでは無いが、前世で子供を育てた事も無く、弟妹も居なかった。

 そしていつの間にか、ベルン皇太子も子供達に本を読んでいる。

 

 (前世で一時、私も孤児院にいたけど、あの時は誰とも喋らなかったしなぁ。)


 ちらりと類友のルイスを一瞥すると、子供は正直なもので、見た目の良い者がいると近寄りたくなるらしい。

 ルイスはルイスで立っているだけで何か人気だった。

(ライザも美少女なんだけど、やっぱそこは悪役令嬢補正ってやつね。子供受け悪いのは。…ん?)

 

 
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