不吉を呼ぶ姫は愛されないはずだった ―王弟が望んだのは、ただ一人の婚約者―
「不吉を呼ぶ姫」――。
黒い髪と黒い瞳を持って生まれたミルバーグ王国第二王女アリスは、「不吉を呼ぶ姫」と恐れられ、幼い頃から塔で暮らしてきた。
誰にも愛されない。
幸せを望むことさえ、自分には許されない。
そう信じていた彼女へ突然告げられたのは、隣国トルシア王国第二王子・ウィルとの婚約。
王弟にして騎士団長。国随一の剣の腕を持ち、誰もが目を奪われるほど美しいウィルと、地味で目立たない自分。
アリスにとっては、あまりにも遠い人だった。
隣国ゼリアへの抑止力として結ばれる、形だけの婚約。
けれど、共に過ごす日々の中で、誠実で優しさを秘めたウィルにアリスは少しずつ心を寄せ、ウィルもまた、健気でひたむきなアリスへ惹かれていく。
そして――
「生涯かけて、あなたを守ると約束します。ですから――諦めて、私の傍にいてください」
初めて自分を選んでくれた人。
初めて見つけた、帰る場所。
しかし、婚姻式を目前に、「不吉を呼ぶ姫」の噂に囚われたゼリア国王は、アリスの身柄を国賓という名目で要求する。
国を守るため、自ら愛する人のもとを去ることを選んだ王女。
「必ず迎えに行く」
その約束を胸に待ち続ける王女と、決して諦めず彼女を取り戻すと誓った王弟。
これは、幸せを諦め続けた王女と、ただ一人だけ最後まで彼女を諦めなかった王弟が、本当の「帰る場所」を取り戻すまでの純愛ファンタジー。
※第66話以降は、基本的に週3投稿となります。
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そして――
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