夏の逢魔
1944年、旧制中学校5年生で17歳の亘李(せんり)は、姉・ふう子の結婚を機にふう子の夫・花咲三千穂(みちほ)の実家がある安其(あき)の山村に一家で疎開した。その土地は空襲で家を焼かれた亘李一家にとって安らぎの場になり、ふう子夫婦も仲睦まじく暮らしていた。
亘李は戦火が激しくなる中、大学進学よりも陸軍入隊を考え始め、次第に三千穂に憧れを抱き始める。
一方、亘李は居心地がよいながらも、安其の土地と三千穂の家の奇妙さに気づき始める。そして、ある日、三千穂の思いもよらぬ姿を見て、ふう子だけでなく亘李一緒にも家に招き入れられた本当の理由を知る。
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