残響の雨

「もっと、俺の音を聞いてくれ」

 全身の血が滾る。

 止まない雨、観客の熱は最高潮。

「もっとだ。もっと熱を、最高を俺に感じさせてくれ」

 雨音、声、楽器の音。止まない歓声。

 演奏が終わると、雨は止んでいた。

 しかし、そこには残響が残っていた。
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