婚約破棄され捨てられた悪役令嬢のわたしを、冷徹な大公閣下が拾ってくださった。名を口にするたび、風もないのに屋敷じゅうの風鈴が鳴るのです
真夏の夜会で、王太子殿下に身に覚えのない罪を着せられ、婚約を破棄されたわたし――セラフィーナ。
弁明も許されず城を追われ、嵐の夜の街道に捨てられたわたしを拾ってくれたのは、冷徹と恐れられる大公、ジークヴァルト様だった。彼はわたしを、壊れ物みたいに甘やかしてくださる。
――ただ一つ。
わたしがこの屋敷に来てから、わたしを嗤ったあの人たちの名前を口にするたびに、風もないのに、屋敷じゅうの風鈴が、いっせいに鳴るのです。
風鈴が鳴った翌朝には、決まって、その人が――没落し、姿を消し、いなくなっている。
「夏の風のいたずらだよ」と、あの人は微笑むけれど。
ねえ、ジークヴァルト様。風もない夜に鳴るあの風鈴は、いったい、何を、報せているの。
……わたしの“罪”も、あの断罪の夜も、まさか、最初から――。
※二人にとっては、最初から最後までハッピーエンドです。
※ほの暗いホラー風味(人間の狂気・執着)とざまぁ要素がありますが、ヒロインは絶対に傷つかず、溺愛されて幸せなままの物語です。幽霊やお化けは出ません。
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