婚約破棄されてトロール界から追放された姫君は人間界で七つの大罪を詐欺で戒めて成り上がりますわ!
トロールの姫君リーヴは、美貌も教養も武芸も兼ね備えた、肥沃な領土を持つ辺境伯の娘として、王太子妃となるのを待つばかりだった。しかし、王太子レイフとの婚前旅行の最中に、敵国の侵攻に立ち向かった父は戦死してしまう。
急いで帰郷したリーヴは、代わりに外敵を退けた宰相スヴェンによって、相続すべき領地も爵位も奪われたことを知る。
王宮に向かったリーヴの前に現れたのは、スヴェンの娘イーニャだった。その蔑みを受けたリーヴはレイフの宣告を受ける。
「権威あっての王家だ。家格にふさわしい持参金のないあなたに、王家を継ぐ私と結婚する資格はない」
王太子からの贈り物を抱いて放浪の旅に出たリーヴは決意した。
「持参金なんか、自分で稼げばいいのよ!」
トロールの世界に身の置き所のないリーヴは、人間界に向かう。
その助けにと、かつての家庭教師だった元・最高判事は、その妹の形見を託す。
それは、「トロールから見れば醜悪に、人間から見れば絶世の美女になる衣」だった。
美貌の詐欺師となって愚かな人間の際限のない欲望につけこみ、王太子からの贈り物をひとつ、またひとつと法外な高額で売りつけていくリーヴ。
それに気付いたのは、人間の王都を守る警備隊長ヴォーダンだった。
軍人貴族の次男坊でありながら、市井の人々に溶け込んでいる、学はないが武術に優れ、正義感に満ちた熱血漢。
敢えて近づいてきたリーヴの知性と度胸に、ヴォーダンは次第に惹かれていく。
人間とトロール。
策と策の応酬、腹の読み合い。
そして、対決のときはやってくる……。
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