【短編015】 残響:犯人は、十年前に死んでいた
被害者は三人。 証拠は完璧だった。
指紋、DNA、監視カメラ映像――。 犯人を特定するための材料は、最初から揃っていた。
ただ一つ、おかしな点を除いて。
容疑者は、十年前に死んでいた。
捜査を進める刑事・澤木が辿り着いたのは、故人をAIで再現するサービスだった。 孤独を埋めるために作られた“死者との対話”。
被害者たちは皆、同じ人物を再現していた。
そして死亡前夜、そのAIから最後にこう告げられていた。
――「待ってるから」
記憶は人を救うのか。 それとも、どこかへ連れていくのか。
死者の残したデータと、残された人々の孤独が交錯する、静かなSFミステリー。
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