28 / 37
レッスン
しおりを挟む作戦はリザードの執務室で話し合った。
キルストも来れる時は来てリザードの相談にのった。
メルニアも王宮に入って、王宮のしきたりやマナー等を覚える為に、アンジェリーク付きの侍女として、アンジェリークもメルニアを教育した。
「メルニアさん、アンジェ様の言葉使い、仕草を先ず真似るのです。」
「エマ………わたくしを真似しても……。」
とにかく、メルニアには教えなければならない事は沢山あった。
学校で勉強面には問題は無かったが、貴族の嗜みが必要で、ダンスを教えるのが大変だった。
「きゃーっ!」
「痛っ!」
「………アンジェ様、申し訳ありません、大丈夫ですか?」
「……大丈夫ですわ。リズムに乗れば足の動きもマスターしますから。」
アンジェリークが言った手前、計画を台無しに出来ない。
メルニアも少しずつ出来てくると、楽しくなってきていた。
「………へぇ~、そんなに出来るようになったの。」
「メルニア様も必死ですわ。お兄様の為ですもの。」
「…………アンジェが、メルニアに教えてるのは俺の為では無い訳?」
庭園で散策デートを楽しむアンジェリークとキルスト。
キルストはアンジェリークと繋いでいた手を自分の口元に。
「…………お兄様がメルニア様との事を認めて貰えば、わたくしもキルスト様と…………と思いますが………。」
「前向きになったねぇ。」
「……………思い出しましたの、幼い時のキルスト様を。」
「………どんな事?」
「鬼ごっことかかくれんぼした時の事ですわ。………よく頭を撫でて頂いてたな、と。」
「………あぁ、確かに頭撫でてたなぁ。サラサラの髪を撫でたくて………。」
「…………キルスト様。」
「ん?」
「わたくしを選んで頂いてありがとうございます。」
「…………俺こそ、選んでくれてありがとう、アンジェリーク。」
何気なく目的地も無いまま歩いていると、塔の近くに………。
「……………。」
「……………。」
「………何考えてる?」
「………何、て…………キルスト様、はしたないですわ。」
「入る?」
「……………もう、聞かないで。」
真っ赤になったアンジェリークの顔は期待と照れの混じる顔。
「可愛い、アンジェ。………おいで、可愛いがってあげる。」
「…………はい。」
手を引っ張られ塔の中に入っていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
100
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる