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#14 余韻
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そして今………、ソファに座ったまま、いつのまにか自分の体が微熱を帯びつつあるのをミツルは感じていた。やるせないうずきが局部を襲う。
両手を縛られていることが少し恨めしい。無意識のうちにミツルはソファに体を投げ出し、下半身をソファに押し当てていた。
ギシギシとソファがきしむ……。少しずつ息が荒くなる………。
「朝から何してるの?」
不意に声をかけられ、ミツルは驚いて起き上がる。いつのまにかジュンが目を覚まして、ソファのそばまで来ていたのだ。
「解いてあげようか……」
ああ、昨夜から何度この言葉を聞いただろう………
一見親切そうで、実は意地悪な言葉………
「いや、………もう少しこのままにしておいて……」
もう少し苛められたいんだね………
…うん………
ミツルは静かにうなずいた。
「それなら、一人で勝手に逝こうとしたお仕置きをしなくちゃね」
ジュンはトランクの中から細引きを取り出した。
「立って…」
言われてミツルはソファから立ち上がる。
ジュンはミツルの前にしゃがみ込むと、おもむろに細引きをミツルの分身に巻き付け始めた。
「あっ、い、嫌だ…」
ミツルはうろたえる。
「そんなことないだろ、ミツルは縛られるのが好きなんだから……」
玉袋、肉サオの根元、そして鎌首……。ジュンは手早く要所をくびり上げ、縄止めしていく。
「肢を拡げて…」
ミツルがわずかに肢を拡げると、ジュンは鎌首を締め上げた細引きをその股間に通し、背中側にぐいっと引っ張り上げた。
「い、痛い!…痛いよ」
天を突く勢いを示していたミツルの分身は否応もなくその角度を無理矢理下げさせられてしまったのだ。ミツルの抗議じみた悲鳴を無視して、ジュンは背中に回した細引きを腰の周りにベルトのように巻き付け、縄止めした。
「う……くうっ………」
鎌首を締め付ける痛みに、ミツルの顔が歪む。プラスチック、もしくは金属でできた男性向けの貞操帯があるが、反り返ろうとする男性器を押さえつける原理そのものはそれらと全く同じだ。言わば、貞操縛りとでも言えようか。
「ほ、ほどいて。この縄……」
「苦しい?」
「苦しいよ…このままじゃあそこが折れちゃうよ……」
ミツルは何度も首を縦に振る。
「お仕置きなんだから、苦しくて当然だろ」
「で、でも……」
「じゃあ、後ろ手縛りの縄を解いてあげようか」
何度も繰り返されるミツルの意地悪な問いかけ。
ジュンは貞操縛りに苦悶の汗を浮かべながらも、今度は首を横に振る。
我ながらどうしようもない性だと思うのだが、それでもミツルはまだ両手首の縄は解かれたくなかった。
「やれやれ」
半ばあきれた感じでジュンは片ほほをゆがめて笑った。そしてトランクスを脱ぐとソファに座った。チェックアウトまで数時間………。
「何をしてくれるのかな?」
ミツルはソファの前のフローリングの床に正座した。少しだけ、すねが痛い。でもその痛みの分だけ、急所を締め付ける痛みから気をそらすことができた。
目の前には、ジュンが………、ジュンそのものがあった。
こころもちジュンの両脚が左右に拡げられた。そこへ静かにミツルは顔を寄せていく。
ジュンの薫りがただよってくる。
宴の翌朝………。でも、この縄が解かれない限り、宴は終わらないのだ。
(このまま、時間が止まればいいのに……)
ミツルは心からそう思う。
不意にジュンの両手がミツルの頭を掴むと、ぐいっと、ミツルの頭を自分の下半身に引き寄せた。
ジュンの薫りが一層高まり、ミツルは胸苦しさを覚える。
そして………、
ミツルはそっと口を開くと、しっかり、ジュンそのものを自分の口中に絡めとったのだった…………。(了)
両手を縛られていることが少し恨めしい。無意識のうちにミツルはソファに体を投げ出し、下半身をソファに押し当てていた。
ギシギシとソファがきしむ……。少しずつ息が荒くなる………。
「朝から何してるの?」
不意に声をかけられ、ミツルは驚いて起き上がる。いつのまにかジュンが目を覚まして、ソファのそばまで来ていたのだ。
「解いてあげようか……」
ああ、昨夜から何度この言葉を聞いただろう………
一見親切そうで、実は意地悪な言葉………
「いや、………もう少しこのままにしておいて……」
もう少し苛められたいんだね………
…うん………
ミツルは静かにうなずいた。
「それなら、一人で勝手に逝こうとしたお仕置きをしなくちゃね」
ジュンはトランクの中から細引きを取り出した。
「立って…」
言われてミツルはソファから立ち上がる。
ジュンはミツルの前にしゃがみ込むと、おもむろに細引きをミツルの分身に巻き付け始めた。
「あっ、い、嫌だ…」
ミツルはうろたえる。
「そんなことないだろ、ミツルは縛られるのが好きなんだから……」
玉袋、肉サオの根元、そして鎌首……。ジュンは手早く要所をくびり上げ、縄止めしていく。
「肢を拡げて…」
ミツルがわずかに肢を拡げると、ジュンは鎌首を締め上げた細引きをその股間に通し、背中側にぐいっと引っ張り上げた。
「い、痛い!…痛いよ」
天を突く勢いを示していたミツルの分身は否応もなくその角度を無理矢理下げさせられてしまったのだ。ミツルの抗議じみた悲鳴を無視して、ジュンは背中に回した細引きを腰の周りにベルトのように巻き付け、縄止めした。
「う……くうっ………」
鎌首を締め付ける痛みに、ミツルの顔が歪む。プラスチック、もしくは金属でできた男性向けの貞操帯があるが、反り返ろうとする男性器を押さえつける原理そのものはそれらと全く同じだ。言わば、貞操縛りとでも言えようか。
「ほ、ほどいて。この縄……」
「苦しい?」
「苦しいよ…このままじゃあそこが折れちゃうよ……」
ミツルは何度も首を縦に振る。
「お仕置きなんだから、苦しくて当然だろ」
「で、でも……」
「じゃあ、後ろ手縛りの縄を解いてあげようか」
何度も繰り返されるミツルの意地悪な問いかけ。
ジュンは貞操縛りに苦悶の汗を浮かべながらも、今度は首を横に振る。
我ながらどうしようもない性だと思うのだが、それでもミツルはまだ両手首の縄は解かれたくなかった。
「やれやれ」
半ばあきれた感じでジュンは片ほほをゆがめて笑った。そしてトランクスを脱ぐとソファに座った。チェックアウトまで数時間………。
「何をしてくれるのかな?」
ミツルはソファの前のフローリングの床に正座した。少しだけ、すねが痛い。でもその痛みの分だけ、急所を締め付ける痛みから気をそらすことができた。
目の前には、ジュンが………、ジュンそのものがあった。
こころもちジュンの両脚が左右に拡げられた。そこへ静かにミツルは顔を寄せていく。
ジュンの薫りがただよってくる。
宴の翌朝………。でも、この縄が解かれない限り、宴は終わらないのだ。
(このまま、時間が止まればいいのに……)
ミツルは心からそう思う。
不意にジュンの両手がミツルの頭を掴むと、ぐいっと、ミツルの頭を自分の下半身に引き寄せた。
ジュンの薫りが一層高まり、ミツルは胸苦しさを覚える。
そして………、
ミツルはそっと口を開くと、しっかり、ジュンそのものを自分の口中に絡めとったのだった…………。(了)
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