古書館に眠る手記
十九世紀オーストリア。
ウィーン帝室図書館の地下書庫で、一冊の古い手記が発見された。
そこに記されていたのは、存在しないはずの王国「エルミア」と、一人の王女の記録。
古手記を読み解くホーフブルク官僚ルーカスは、革命前夜の現実の中で、エルミア王女の記録をしたためた青年文官のフレートに、自分をなぞらえ手記に魅了されてゆく。
当たり前の日々を当たり前の使命として励むルーカスの耳に銃声が響く。
混乱してゆく宮廷。民衆の罵声。
皇帝一家すら亡命する中、ルーカスはたった一人手記を読み解き続ける。
一方、手記内のフレートは、王女に触れるにつれ自らの信じていた世界の深淵を知り、人間とは、王族とは何かを問われる。
手記を最後まで読み終えたルーカスが「記録を残す意味」を問われた時、決断し出した答えは、英断でもなんでもない。
書物に惹き付けられた、ひとりの人間の意思。
ウィーン三月革命を舞台に、ふたつの物語を綴った歴史小説です。
本作はムソルグスキー『展覧会の絵』の構成を参考にしています。
ルーカスの語りは、展示を巡るプロムナードのように進み、その歩みは少しずつ変化していきます。
※ネベルム大陸記~喪の王宮~ スピンオフです
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※ネベルム大陸記~喪の王宮~ スピンオフです
4件
素敵な作品。
まるでシェーンブルン宮殿に舞い立ったオスカル・フランソワのような!
かっこいいぜ王女!
応援したくなる主人公!
自分が着るはずだった服を侍女が着たせいで助かった…。侍女、ありがとう。
ところで読みやすいのにネコートさんらしい独特な表現があってとても勉強になります。
「雰囲気が壊れた」ではなく「雰囲気にひびを入れた」と能動的で、かつ完全に雰囲気を壊したわけではなく不穏な空気を作ったんだなーというのが、主人公の前に立ちはだかる敵らしく、臨場感を感じました。
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