小さな恋とシロツメクサ

能登原あめ

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24   結婚式のあとで2 (終)

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「痛くない?」
「大丈夫……、んんっ……オーブリィ……気持ち、いい……」

 大きく広げられた私の脚の間で、オーブリーの指が増やされる。
 馴染ませるようにゆっくり動いた後ははしたない音を立てながらわたしの中をかき回す。

「かわいいな……ほら、イこうな」
「……っん……、ぁああーーっ!」

 言われるがままに私は喘がされて、オーブリーの指を奥へと誘い込むように内側から動いてしまう。
 私が気持ち良くなっているのに、オーブリーの指はその場に留まってゆっくりと広げるような動きを見せる。

「……今日のほうが、痛くないと思うが……、やっぱりもう一回……」

 小さな呟きに私は慌てた。

「オーブリー! もう……お願い……その……いれて……?」
「…………いいのか?」
「うん。……痛くてもいいの。……オーブリーが好きだから……それも全部、私のものにしたい」

 伸び上がったオーブリーが私の唇を貪った。
 お互いに荒い息を吐き、何度も啄む。

「可愛すぎてダメだ……このままじゃ、俺の目の届かないところにおけない」
「……オーブリー?」

 首筋にきつく吸いつかれて、ちくりと甘い痛みが走る。
 オーブリーは私の首筋を見て満足そうに笑った。

「俺の印、たくさんつけさせて」
「……うん」
「エラを俺の妻にできてよかった……」
「私もオーブリーが夫で嬉しい。幸せ」
「……エラ、覚悟しろよ」

 熱っぽい瞳に射抜かれて心臓が跳ねる。
 オーブリーは私の耳の後ろに唇を寄せて強く吸い上げた。

「自分がこんなに独占欲が強いと思わなかった」

 オーブリーはそう言いながら、私の身体の至るところに口づけを落として吸いつく。

「かわいい……かわいすぎだ」

 おへそまでさがったところで、思い出したように脚の間に手を伸ばす。

「……エラも俺の所有印をつけられるの好き?」
「……わから、ない……っん……」

 さっきよりも濡れているのか、簡単にオーブリーの指を濡らした。

「エラを感じたい」

 起き上がったオーブリーは高まりを握り、私の脚の間に当てる。

「……力、抜いて」

 私の伸ばした手を握り、ゆっくりと挿入する。

 圧迫感はすごくあるけど、痛くない。
 オーブリーが短く息を吐いて、私の中に全ておさめる。
 
 彼は、優しい。
 初めてじゃないから、もう好きにしたっていいのに私が痛くないように優先してくれる。

「大丈夫、か?」
「……うん。…………大好き」

 私はオーブリーのふくらはぎに自分の足をするりと絡めた。

「エラ……」

 私の中でオーブリーのものがぴくんと動いた。

「かわいいことするんだな……」

 低い声が耳元に届く。
 腰を回して押しつけるように刺激するから、体から力が抜ける。

「……ここ、突くと震える。……今日はエラが喜ぶところをたくさん探そう」

 小刻みに軽く突かれて甘いしびれが訪れる。

「オーブリー……、あっ、はぁっ、あああっっ……!」

 気持ちがよすぎて頭がおかしくなりそう。

「……っく! エラの声も、腰にクるな……」

 オーブリーの呟きも頭に入ってこない。
 
「オー、ブリィ……も、これ、むり……」

 オーブリーだって険しい顔して私を揺さぶってくる。
 苦しいの?

「……わかった」

 私の中から抜け出して、唇を重ねた。

「……オーブリー、大丈夫?」
「気持ち良すぎて辛かった……エラ、続けていいか?」
「……ん。さっきのは頭が変になりそう」

 私の顔をじっとみつめてにっこり笑った。

「じゃあ、ちょっと変えるか」

 その笑顔は初めての時にも見たかも。
 オーブリーが私の両足首を片手で持ち上げるから、慌てて声をかけた。

「……オーブリー?」
 
 そのままオーブリーの高まりが入ってくる。

「んぅ……、はあ……」

 はしたない音に耳も犯される。
 足を閉じているから、オーブリーのものを大きく感じて、声が抑えられない。
 でも、その声がいいって言うから恥ずかしいのは我慢する。

「エラ、かわいい……全部、俺の、……」
「オーブリー……」

 大きくゆっくり揺さぶられるから、オーブリーの形がよくわかる。
 それが前回より生々しく感じた。

「こ、んな……、こんな、の。……オーブリーとしか、ぜっ、たい……」
「しちゃダメだ」
「んっ、オーブリー、も……」 
「エラとしか、しない」

 私の身体をさらに折り曲げるように、乗り上げてキスをする。

「んんっ……」

 深く受け入れることになって、身体が震える。
 涙を浮かべた私の背中に手を入れてそっと抱き起こした。
 オーブリーを受け入れたまま、横座りの体勢で。
 彼の腕の中にすっぽりとおさまって抱きしめられる。

「エラがしてほしいことは全部したい。……エラの夢を全部叶えたい、俺の手で」
「……オーブリー……十分叶ってる……よ……」
「小さなことだって、なんだって言って欲しいんだ」
 
 私の顎を取り、まぶたに口づけを落とす。
 優しく見つめてくるから私は口を開けた。

「……今すぐじゃないけど、ほしいものは、あるよ……」
「言って」
「あの……まだ早いとは思うの……」
「ほら」
「……あの、オーブリーとの、赤ちゃんが欲しい……けど」
「…………」
「そう、いうのは……授かりものだし……オーブリー?」

 力一杯抱きしめられて、私の中のオーブリーが一回り大きくなった気がした。

「……協力する」

 私は身体ごと抱えられて下から突き上げられた。
 身体に快感が走る。
 私はオーブリーの腕の中でひたすら彼を受け入れるだけで、どうすることもできない。

「んぁっ……! あっ、あぁっ、あ……!」

 そのままベッドに倒れ込んで、強く打ちつけられる。
 
「エラ、愛してる」

 オーブリーが私の奥深くに子種を吐き出して、二人が一つになるくらい強く抱きしめ合った。

 

 






「あのね、さっきはああ言ったけど……私ね……赤ちゃん産めるかな……」

 私の言葉にオーブリーは黙って髪を撫でて続きを促す。

「私小さいから……。もちろん、できたら嬉しいし、すっごく大事にして、大切に育てたい。……オーブリーとの子が可愛くないわけがないから……」

 私が本当の両親に愛されなかった分、その子にたくさんの愛情を注ぎたいと思う。
 でも小柄な私に子どもが宿るのか、そして産めるのかわからない、とも思う。

 お医者さんに訊いたことはないけれど。
 私のそういう気持ちがわかるのか、オーブリーが私を甘やかす。

「……その時は俺が最善を尽くすよ。……エラがいれば幸せだから」

 そう言って私の左手をとり指輪にキスをする。

「約束だ、ずっと一緒にいよう」
「うん、ずっと……一緒ね」

 そっと唇を合わせて、お互いに微笑む。
 それから私を腕の中に閉じ込めた。








           終
          








******


 最後までお読みいただきありがとうございました。
 
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