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28 訪問客2
しおりを挟む「私……間違って書類を落とさないかな」
頷いたものの、自宅の書斎にはオーブリーの研究資料がたくさんあって、そういうことをするのにはとても向かないと思う。
それに机の上には何かの書類がまとめて置いてあるから。
「そうならないようにすればいいだけだろ?」
「……そう、なの……かな?」
オーブリーは大きな肘掛けのついた椅子に座り私をまたがらせた。
そんなふうに座っても私の足を座面にのせておけるくらいゆったりしている。
「オーブリーに触れられると、わけがわからなくなっちゃうもの……」
私が呟くとオーブリーにぎゅっと抱きしめられて、彼の高ぶったものが私のお腹にあたった。
「俺が支えるから大丈夫だ」
私が返事をする前に唇が重なり、誘うようにゆったりと唇を啄むからだんだん物足りなくなる。
「……んっ……オー、ブリー……」
「……エラ、舌出せ」
「んぅ……」
オーブリーの口の中へと吸い込まれた私の舌を、甘噛みされたことで身体がびくんと震えてしまう。
そうするつもりはなかったのに、ぱくりとオーブリーの唇を食んだ。
「かわいいな……」
私が唇を啄んでいる間、オーブリーはその大きな手を私のスカートの中へと忍ばせる。
お尻を掴まれ彼の高まりに押しつけられると、布越しなのに熱いと思った。
「んっ……」
オーブリーはそのまま肌着の中に指を進めて甘くささやく。
「腰、上げて」
彼の肩に手を置いてゆっくりと腰を上げる。
今はもう彼が私を蕩けさせることをするとわかっているから口づけだけで自然と潤む。
その彼の指が私をくすぐるように撫でて、思わず指に力がこもった。
「いいね」
「だって、オーブリーが……触るから」
「うん、かわいい……愛してる」
「私も大好き。愛してる」
「……早く、エラの中に入りたい」
オーブリーの高まりがぴくりと動いて私のお腹を刺激する。
「うん……私も」
じゃあ、ペースあげなきゃなって、オーブリーが笑った。
私の小さな核に溢れた蜜を纏わせて指でくるくると優しく撫でる。
そうされると甘い痺れに襲われて腰が揺れてしまう。
「かわいい」
そう言って私の口内に舌を這わした。
オーブリーにされること全てが私の身体を熱くする。
「オーブリー……もっと」
あと少しで熱がはじけそう。
なのに、そのあと少しを与えてくれない。
「もっと、なに?」
「……もっと、さわって、ほしいの」
「うん」
「オーブリーに触れられるの好き。気持ちいい」
「……エラ、いっぱい感じて」
物足りないと思っていたオーブリーの指が、今度は私を追い上げることだけを目的に動く。
「んっ……ぁ……あぁっ……」
肩にすがるだけでは足りなくて。
オーブリーの首に腕を回してぎゅっと抱きついて、そこに顔をうずめた。
「あぁ、もう、本当に……かわいいな」
「オー、ブリーっ……!」
私は身体を震わせて果てる。
それなのに。
オーブリーの指は休むことなく私の快感を引き延ばすから、はしたない音が大きくなった。
「あっ……はぁっ……オーブリーっ」
オーブリーを身体の中に感じたい。
顔を上げて、衝動的に彼の耳を食んだ。
何かにすがりたくて。
「……お願い」
私がささやくとオーブリーの身体がぶるりと震えた。
「エラ」
呼ばれて顔を上げると欲を孕んだ瞳と出会う。
でも、きっと。
私もそうなってるのかもしれない。
ゆっくりと顔が近づいて重なる前にオーブリーが笑った。
「おねだりが上手になったな」
唇が重なると同時に私の奥にぐっと指が差し込まれる。
「んんっ……」
「あったかくて、柔らかくて、うねってる。……俺がほしい?」
「んっ、ほしいよ。オーブリー……」
泣きたいわけじゃないけれど、目元が潤んでくる。
オーブリーの指が複数に増やされて私の頭は真っ白になった。
「……食われてるみたいだ」
低く笑いながら手を動かし続けるから、ひたすら快楽を受け入れるだけで。
でも。
ほしいのはそれじゃなくて、もっと満たされたいと思う。
オーブリーが足りない。
「どうして……?」
「可愛すぎるのがいけない」
私はもどかしくてぎゅーっと抱きついた。
「オーブリー、いじわるしないで」
「このまま……と思ったけど。服、脱ぐか」
オーブリーが私の服を手早く剥ぎ取る。
そして、彼自身をズボンから取り出して私の脚の間に当てた。
「エラ、自分で挿れてみて。……そのまま、腰を落としてごらん」
こうして自分から受け入れるのは初めてで。
戸惑いながらも言われるままゆっくりと腰を落とす。
「……っ、あぁっ……」
ずっと待ち望んでいたから、先端を受け入れただけで、きゅうっと身体が打ち震えた。
「エラ……我慢させすぎちゃったか……」
腰に回された腕が震える私をしっかり支える。
「少しずつ、ゆっくりおいで」
オーブリーの低い声が私の腰に響く。
脚が震えるけれど、私の身体を限界まで広げる彼自身が愛しいとも思う。
この瞬間がもしかしたら一番ドキドキするかもしれない。
「んっ……」
ようやく痛みを感じずに交わることができるようになって。
とん、と最奥まで迎え入れて私の身体は再び収縮した。
「……っ!」
オーブリーが苦しそうに息を詰める。
「……動く前にイくところだった」
「……いいよ。いつも私ばっかり、だから……」
「良すぎてイきたくないんだ」
口を開けたけど何て言ったらいいかわからなくて困る私に破顔した。
「エラがもう一度気持ちよくなったら、俺もイく」
私のお尻に両手を当てて、強く押しつけてくるから痺れるような甘い刺激に私は声を抑えることができない。
オーブリーに知り尽くされた私の身体はすでに蕩けているからあっという間に絶頂を迎える。
「ぁあっ……オーブリーっ!」
頭の中は真っ白で、何も考えられなって。
下から何度も何度も突き上げられて、さらなる高みへと押し上げられる。
「エラ……かわいい。全部、俺だけの、エラ」
それからオーブリーの唇に声を飲み込まれて、彼が私の中に熱い欲望を吐き出すのを感じた。
お互いに荒く息を吐いていても、唇を啄み合うのがやめられないのは大好きだからなのかな。
「……オーブリー、だけ……服、着てるの、ずるい……」
ようやくそう呟くと、私の中でオーブリーの欲望があっという間に膨らんだ。
「それは……そんなエラが、かわいいから」
オーブリーの両親が帰る前に夕食を一緒にとって船まで見送る。
「仲の良い二人の姿を見て本当に安心したわ。これ、観光してたら見つけたの。新作ですって。あとで二人で食べてね」
小さな箱の中に入ったシロツメクサの葉を模したチョコレート。
「これって、幸せの象徴よねぇ」
「ありがとう、ございます……」
ちょっと恥ずかしいけど、その気持ちが嬉しい。
帰ったら食べようねって言った私に、にっこり頷いたオーブリーだったけれど、寝室に持ち込んであれやこれやされたのはまた別のお話。
******
お読みいただきありがとうございました。
名前の由来がありまして。
エラ 美しい妖精の女性
オーブリー 妖精の支配者
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(17件)
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ハッピーエンドで嬉しい🥰
みんな幸せになれて良かった♪
素敵なお話をありがとうございます♪
こちらにも嬉しいです(୨୧•͈ᴗ•͈)◞︎ᵗʱᵃᵑᵏઽ*♡︎
基本的にハッピーエンドが大好きで、たまーに毛色の違ったものを書きたくなります!
(小話集とか目立たないところにおさめてますが💦)
せちさま、コメントありがとうございました🤗
このお話、大好きです。
何度も何度も読んでます。
純粋なヒロイン。大事に大事にしているヒーローの描写が素敵。
ミアさんの悪意もよくよく読むとなんか悲しさがありますね。
面白かったです?
わわ!なんと嬉しい言葉でしょう〜✨
(´。•ᄉ•。`)キュンッ♡︎
考えてみたらオーブリーって私の書くヒーローの基本形? 原点? かもしれませんね😊
ミアはある意味被害者でもあるので……もちろんやってきたことはいけないんですけど。
ベースはこのままで、もっと加筆したいと思いながら、なかなか💦
アオさま、何度もお読みくださりコメントもありがとうございました〜🤗
も、も、もだえるほどかわいい❤️❤️❤️❤️❤️
こんなお話読みたかったです
丁寧に二人が夫婦になるのが綴られていて夢中で読みました
たいへん幸せな気分になりました
わ〜、もだえてくださって嬉しいです〜♡
この話、思い入れが強くて、改稿しようと思いながら後回しにしてまして😅
そう言っていただけて、私も幸せです♪
鹿の子さま、コメントくださりありがとうございました〜🤗