25歳、終電後の元カノは俺の知らない匂いがした

「……湊? 久しぶり」

金曜、23時半の渋谷。
人混みの中で偶然再会した元カノ・栞は、4年分の月日をまとって、俺の知らない女になっていた。

学生時代のように笑うのに、その瞳には憂いがあって。
ふわりと香るのは、俺の知らない甘い香水。

空白の時間を埋めるように言葉を交わし、気づけば終電はもうない。
アルコールと懐かしさに背中を押され、俺たちはラブホテルのドアをくぐる。

これは、ただの過ちか。
それとも、失くした青春を取り戻す、運命の悪戯か。

青すぎたあの頃にはできなかった、もどかしくて、優しくて、どうしようもなく官能的なセックス。
身体の熱が、心の氷を溶かしていく。

これは、何者にもなりきれない25歳の男女が、肌の温もりからもう一度“本気”の恋をやり直す、甘くほろ苦い大人の青春物語。

興奮して抜いたのに、なぜか胸が温かくなる。
そんな一夜を、あなたに。
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