また明日の約束は…5年後に…

「また明日会いましょう」
 そう言って別れた宗田愛斗(そうだ・あいと)と藤宮楓子(ふじみや・ふうこ)は、約束の日に愛斗が何者かに殴られ怪我をした事で会えなくなり別れる事になった。
 
 不運な別れから5年後。
 愛斗は服部加絵(はっとり・かえ)と言う同僚と結婚して息子の一也と暮らしていた。
 幸せそうに見える愛斗だが、5年前とは人格が変わり性格も荒く冷たい人間になってしまったと噂されていた。
 そんな時、新入社員としてやって来た九東楓子(くとう・ふうこ)に出会ってから愛斗の目の色が変わり始めた。
 淡々としてつも冷静な表情のままの楓子を見ていると、愛斗は何故か胸が熱くなるのを強く感じ始め、いつしか楓子を気にし始めていた。
 だが、楓子を気にするようになり思いが強くなると頭に激痛が走る…。

「愛斗さん。また明日会いましょう」
 ぼんやりと思い出される思い出の中、顔の判らない女性が愛斗に言ってくる声にまた胸がキュンとなった。

 激痛から逃げてはいけないと決心した愛斗は、本当の事に向き合う決意をした。
 
 それは5年前の怪我の時、愛斗は記憶を無くし自分の名前の他何も覚えていなかった事だった。
 
 空白の記憶の中に何か大切なことをがあった筈だと思った愛斗。


 そんな時だった。
 息子の一也を通して双子の兄弟、礼斗(れいと)と空斗(くうと)に出会った。
 そして、礼斗と空斗の母親が楓子である事を知ると、愛斗の中に次から次へと思い出される記憶が蘇り始めた。

「また明日会いましょう」
 そう約束した人は誰なのか? そして愛斗にとってどんな人だったのか?
 2人の約束を無理やり引き裂いた黒い影は誰なのか?

 愛と殺意とその先にある永遠のラブストーリー。
 
  

 
 
 
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