幼なじみは勇者に選ばれる
幼なじみのグレンが勇者に選ばれた日のことを私は一生忘れることはないだろう。
物心つかない頃から一緒に過ごしてきたあいつとはきっと結婚するだろうと思っていた。それがこの村では当たり前のことだったから、不満に思うこともなかった。あいつだってそう思っていたはずだ。けれどあいつは勇者に選ばれてしまった。あいつを迎えにきた一行の1人である聖女様は「あなたこそこの国を救う勇者。一緒に戦いましょう」と言って白い手をあいつに向けた。水仕事をしたことなどない美しい手。重い荷物など抱えたことのないだろう腕。あいつの顔は真っ赤に染まっていた。
人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった。
前世を思い出したのもその時だった。
これは私が知っているゲームの世界だと気付いてしまった。聖女は勇者を選ぶのだろうか?
まあどっちにしても同じこと。勇者になったあいつと私が結ばれることはない。
あいつは私に一言もなく、聖女に連れられて魔王退治に行ってしまった。
残された私は皆から憐れみの目で見られることになった。
情けないけど、前世を思い出したからといって私には何もなかった。ゲームの世界だとしても、なんの力も持っていない私がこの村から出ることなどできないのだから。
物心つかない頃から一緒に過ごしてきたあいつとはきっと結婚するだろうと思っていた。それがこの村では当たり前のことだったから、不満に思うこともなかった。あいつだってそう思っていたはずだ。けれどあいつは勇者に選ばれてしまった。あいつを迎えにきた一行の1人である聖女様は「あなたこそこの国を救う勇者。一緒に戦いましょう」と言って白い手をあいつに向けた。水仕事をしたことなどない美しい手。重い荷物など抱えたことのないだろう腕。あいつの顔は真っ赤に染まっていた。
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これは私が知っているゲームの世界だと気付いてしまった。聖女は勇者を選ぶのだろうか?
まあどっちにしても同じこと。勇者になったあいつと私が結ばれることはない。
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