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第1章・辺境へ追放されたのはメインヒロイン。
26イチャイチャ。
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私は崩れるように、床に座り込む彼を抱き寄せる。
そのまま彼の頭を私の胸に埋めるように抱く。
メリィベルはまあまあ胸が大きい、前世がHカップだった私としてはもっと小さくて良かったんだけどまさかここで役に立つとは思わなかった。
彼の呼吸を落ち着かせるために、ぎゅっと抱きしめる。
しばらくそのままで、彼を抱きしめて。
少し呼吸が落ち着いたところで彼は顔を上げた。
目が合う、見つめ合う。
優しい眼差しで、言葉がなくてもありがとうと伝わってくる。
私はそんな彼の瞳に吸い込まれるように。
唇を重ねる。
どのルートにも行かなかったから。
この世界における私のファーストキスだ。
この時のためにとっておいた……なんてロマンチックなものじゃなくて袋を取りに行けないから暫定的な措置。
人工呼吸の要領で、私の吐いた二酸化炭素で取り込みすぎて上がった酸素濃度を下げつつ正しい呼吸のリズムに戻していく。つまり袋の代わり。
いや、これも違う。
こらえられなかった、私は彼にキスをしたかっただけだ。
「――――――落ち着いた……?」
何度か息継ぎをして何度も唇を重ねて、しばらくして私は彼に問う。
急激に顔が熱くなる。
やっべえ、ここにきてイッキに恥ずかしくなってきた。
「…………いや」
彼は落ち着いた声で。
「足りない」
そう言って、再び唇を重ねた。
うん、そうだよね。あんな医療行為っぽいのはノーカンだ。
私は目を閉じて、普通のキスを受け入れた。
この日から私たちは完全にお互いを恋人と認識して、隙あらばイチャイチャするようになった。
まあ今までもイチャイチャはしてたけど、なんというかイチャイチャしちゃってるんじゃなくてイチャイチャしたくてイチャイチャするようになった。
昼間は病室だったり診療所の裏だったり夜はこっそり私の部屋だったりでイチャイチャした。要するにお互いに我慢していたところが決壊して、歯止めが効かなくなった。
そんな日々を一週間も続けていれば――――。
「――――まあ、こうなるわけで……」
私は隣で眠る彼の髪を撫でながら呟く。
もう少し寝顔を見てたいけど、今のうちにパンツだけでも履いておこ……。
思ったより罪悪感はなかった。
結局のところ私はどこまでいっても乙女で、恋をしたら何も関係がなかった。
もちろん関係ないとはいえど妊娠や衛生面にも気をつけてたし、なるだけ音とか声とかにも気をつけてたけどね。そういう配慮はある。
ベッドの端の方にあった冷たいパンツを足先で捕まえて毛布の中で腰を浮かして履いてから、改めて彼の寝顔を眺める。
可愛い。
こう見るとちゃんとティーンエイジャーだ。
これも成功体験の一つになってくれたらいいな……。
なんて考えながら、彼の髪を撫でる。
朝方には自分の部屋に戻らなきゃだから、それまでこの寝顔を堪能させてもらおう。
そのまま彼の頭を私の胸に埋めるように抱く。
メリィベルはまあまあ胸が大きい、前世がHカップだった私としてはもっと小さくて良かったんだけどまさかここで役に立つとは思わなかった。
彼の呼吸を落ち着かせるために、ぎゅっと抱きしめる。
しばらくそのままで、彼を抱きしめて。
少し呼吸が落ち着いたところで彼は顔を上げた。
目が合う、見つめ合う。
優しい眼差しで、言葉がなくてもありがとうと伝わってくる。
私はそんな彼の瞳に吸い込まれるように。
唇を重ねる。
どのルートにも行かなかったから。
この世界における私のファーストキスだ。
この時のためにとっておいた……なんてロマンチックなものじゃなくて袋を取りに行けないから暫定的な措置。
人工呼吸の要領で、私の吐いた二酸化炭素で取り込みすぎて上がった酸素濃度を下げつつ正しい呼吸のリズムに戻していく。つまり袋の代わり。
いや、これも違う。
こらえられなかった、私は彼にキスをしたかっただけだ。
「――――――落ち着いた……?」
何度か息継ぎをして何度も唇を重ねて、しばらくして私は彼に問う。
急激に顔が熱くなる。
やっべえ、ここにきてイッキに恥ずかしくなってきた。
「…………いや」
彼は落ち着いた声で。
「足りない」
そう言って、再び唇を重ねた。
うん、そうだよね。あんな医療行為っぽいのはノーカンだ。
私は目を閉じて、普通のキスを受け入れた。
この日から私たちは完全にお互いを恋人と認識して、隙あらばイチャイチャするようになった。
まあ今までもイチャイチャはしてたけど、なんというかイチャイチャしちゃってるんじゃなくてイチャイチャしたくてイチャイチャするようになった。
昼間は病室だったり診療所の裏だったり夜はこっそり私の部屋だったりでイチャイチャした。要するにお互いに我慢していたところが決壊して、歯止めが効かなくなった。
そんな日々を一週間も続けていれば――――。
「――――まあ、こうなるわけで……」
私は隣で眠る彼の髪を撫でながら呟く。
もう少し寝顔を見てたいけど、今のうちにパンツだけでも履いておこ……。
思ったより罪悪感はなかった。
結局のところ私はどこまでいっても乙女で、恋をしたら何も関係がなかった。
もちろん関係ないとはいえど妊娠や衛生面にも気をつけてたし、なるだけ音とか声とかにも気をつけてたけどね。そういう配慮はある。
ベッドの端の方にあった冷たいパンツを足先で捕まえて毛布の中で腰を浮かして履いてから、改めて彼の寝顔を眺める。
可愛い。
こう見るとちゃんとティーンエイジャーだ。
これも成功体験の一つになってくれたらいいな……。
なんて考えながら、彼の髪を撫でる。
朝方には自分の部屋に戻らなきゃだから、それまでこの寝顔を堪能させてもらおう。
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