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19 褒美
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リビングに到着すると、ベリーは「少し待ってて」と言い残し、近くの部屋に入って行った。
それから間もなく、自身の上半身ほどの大きさの袋を抱えた彼が、よたよたとした足取りで部屋から出てきた。
「ベリー、持つわよ」
「持つも何も、これはオーロラのものだよ」
「私のもの?」
慌てて手を差し出し、ベリーから袋を受け取る。
――何が入っているのかしら?
不思議に思い袋を見つめていると、ベリーが声をかけてきた。
「開けてみてよ」
「わ、分かった……」
言われるがまま、綺麗にラッピングされた袋を開けてみる。すると、中から女性物のワンピースが出てきた。
「オーロラ、明日からこれを着るんだよ」
「どうしたのっ……これ?」
おそらく、制服というわけではないだろう。そのワンピースを見て目をパチクリさせていると、腰に手を当てたべリーが説明を始めた。
「今着ている服じゃ動きづらいでしょ。だから、シド様とボクで選んだんだ!」
「シドも一緒に選んでくれたの!?」
「そうだよ!」
えっへんと聞こえてきそうなほど誇らしげに答えるベリーの声を聞き、私は服を目の前で広げて感動した。
――こんなに可愛い服を用意してくれるなんてっ……。
シドとベリーが二人で選んでくれたワンピース。それは、お城に住む貴族たちのご令嬢が動きやすい恰好として、頻繁に着ていたものだった。
平民メイドの私には一生手に届かないようなワンピースに、思わず胸が高鳴る。
胸元にフリルが着いたハイネックのクラシカルブラウスに、ジャンパースカートが合体したようなワンピースは、ウエストを後ろのリボンで調整できるようになっていた。
スカートの裾先にも軽いフリルがあり、ウエストがキュッと細く華奢に見えて、とっても可愛いとずっと憧れていた。
――そんなワンピースを着て働けるなんて!
夢みたいだ。
「ベリー! ありがとうっ……。あなたとシドの見立ては、本当に素敵よ!」
私は幾日ぶりに感じた心の底からの喜びを、ベリーに満面の笑みとともにぶつけた。
すると、スンっと澄ましたベリーが、顔を真っ赤にして俯いた。その横顔から少し覗く彼の口元は、嬉しそうに綻んでいた。
◇◇◇
「お風呂の準備は出来ているので、いつでも入ってくださいね」
時間通りに戻ったシドにそう声をかけてからおよそ十五分後、入浴を済ませたシドが浴室から出てきた。
浴室にあったバスローブを着た彼は、どこかスッキリした顔をしているような気がする。髪が濡れたままという点を除けば、とても快適そうだ。
「シド、お湯加減はどうでしたか?」
明日以降の参考にするつもりで訊ねる。すると、彼は面食らった顔をしながらも、一応答えてくれた。
「まあまあなんじゃない」
「まあまあ……まだ改善の余地はありそうですね。でも、良かったです」
及第点に達していたならとりあえずは一安心だ。そう思い彼を見上げると、目が合った彼が口を開いた。
「人間は弱いんだし、今日はもう休みなよ」
さきほどまでスパルタ気味だと思っていた彼の口から出た、まさかの言葉だった。急に気を遣われて、意表を突かれたような気分になる。
――もしかして、試されてる?
なんて疑心暗鬼を抱えながら彼を見上げると、シドは顔色一つ変えず言葉を続けた。
「ちゃんと休んで、もっと仕事ができるって証明しなよ」
「証明……」
「今のあんたは覚え中だから、まだ受け身。もっと自分の頭で考えて動けるようになってからが、需要があるってもんだ」
至極真っ当すぎる。そんなシドの言葉が、私の胸を強く打った。それにより、改めて心が引き締まるような気がした。
「シドの言う通りですね。今日はしっかり休ませていただきます!」
そう返すと、シドは「ああ」とぶっきらぼうに告げ、この場を去ろうとした。そのため、私は慌てて彼を引き止めた。
「シド!」
「何?」
「ベリーと服を用意してくださったんですよね。とっても素敵なワンピースをありがとうございます」
彼にこそお礼を言わなければと、急いで感謝を伝える。すると、シドは感情の揺れを見せることなく、口を開いた。
「始末書の仕事をちゃんとしてたから、まあ……初任務の褒美ってとこ。別に礼なんていいよ」
「そう言われても、やっぱりお礼は言いたいです。本当に本当に嬉しかったんですっ……」
いけない。こんなところで泣いたら、情緒不安定な人だと思われてしまう。
久しぶりの仕事を認めてもらえる感覚に、思わず涙しそうになったが、何とか気合で食い止めた。
その代わり、私は彼にこれからの決意を宣言した。
「シド、私もっと頑張ります!」
「何を?」
「あなたの期待に応えられるよう働きます」
「っ……そう。本当にあんたって……はいはい、明日からも頑張ってよ」
シドは適当にいなすような言葉を私にかけると、何とも言えない困ったような顔のまま、部屋に戻って行った。
その後、私も残りの用事を済ませ、構えてくれた自室のベッドに潜った。
そしてさきほどのシドの言葉を思い出し、自分で考えて働けるようになるために、早く仕事を覚えようと自身を鼓舞した。
そうしている間に、私は気付けば眠りについていた。実に一年ぶりの熟睡だった。
――――――――――――――――
裏話)アールが服を選びに行かなかった理由は、オーロラを1人にしないため。だけでなく、センスが壊滅的という理由があるからです。ベリーが美容担当です。
それから間もなく、自身の上半身ほどの大きさの袋を抱えた彼が、よたよたとした足取りで部屋から出てきた。
「ベリー、持つわよ」
「持つも何も、これはオーロラのものだよ」
「私のもの?」
慌てて手を差し出し、ベリーから袋を受け取る。
――何が入っているのかしら?
不思議に思い袋を見つめていると、ベリーが声をかけてきた。
「開けてみてよ」
「わ、分かった……」
言われるがまま、綺麗にラッピングされた袋を開けてみる。すると、中から女性物のワンピースが出てきた。
「オーロラ、明日からこれを着るんだよ」
「どうしたのっ……これ?」
おそらく、制服というわけではないだろう。そのワンピースを見て目をパチクリさせていると、腰に手を当てたべリーが説明を始めた。
「今着ている服じゃ動きづらいでしょ。だから、シド様とボクで選んだんだ!」
「シドも一緒に選んでくれたの!?」
「そうだよ!」
えっへんと聞こえてきそうなほど誇らしげに答えるベリーの声を聞き、私は服を目の前で広げて感動した。
――こんなに可愛い服を用意してくれるなんてっ……。
シドとベリーが二人で選んでくれたワンピース。それは、お城に住む貴族たちのご令嬢が動きやすい恰好として、頻繁に着ていたものだった。
平民メイドの私には一生手に届かないようなワンピースに、思わず胸が高鳴る。
胸元にフリルが着いたハイネックのクラシカルブラウスに、ジャンパースカートが合体したようなワンピースは、ウエストを後ろのリボンで調整できるようになっていた。
スカートの裾先にも軽いフリルがあり、ウエストがキュッと細く華奢に見えて、とっても可愛いとずっと憧れていた。
――そんなワンピースを着て働けるなんて!
夢みたいだ。
「ベリー! ありがとうっ……。あなたとシドの見立ては、本当に素敵よ!」
私は幾日ぶりに感じた心の底からの喜びを、ベリーに満面の笑みとともにぶつけた。
すると、スンっと澄ましたベリーが、顔を真っ赤にして俯いた。その横顔から少し覗く彼の口元は、嬉しそうに綻んでいた。
◇◇◇
「お風呂の準備は出来ているので、いつでも入ってくださいね」
時間通りに戻ったシドにそう声をかけてからおよそ十五分後、入浴を済ませたシドが浴室から出てきた。
浴室にあったバスローブを着た彼は、どこかスッキリした顔をしているような気がする。髪が濡れたままという点を除けば、とても快適そうだ。
「シド、お湯加減はどうでしたか?」
明日以降の参考にするつもりで訊ねる。すると、彼は面食らった顔をしながらも、一応答えてくれた。
「まあまあなんじゃない」
「まあまあ……まだ改善の余地はありそうですね。でも、良かったです」
及第点に達していたならとりあえずは一安心だ。そう思い彼を見上げると、目が合った彼が口を開いた。
「人間は弱いんだし、今日はもう休みなよ」
さきほどまでスパルタ気味だと思っていた彼の口から出た、まさかの言葉だった。急に気を遣われて、意表を突かれたような気分になる。
――もしかして、試されてる?
なんて疑心暗鬼を抱えながら彼を見上げると、シドは顔色一つ変えず言葉を続けた。
「ちゃんと休んで、もっと仕事ができるって証明しなよ」
「証明……」
「今のあんたは覚え中だから、まだ受け身。もっと自分の頭で考えて動けるようになってからが、需要があるってもんだ」
至極真っ当すぎる。そんなシドの言葉が、私の胸を強く打った。それにより、改めて心が引き締まるような気がした。
「シドの言う通りですね。今日はしっかり休ませていただきます!」
そう返すと、シドは「ああ」とぶっきらぼうに告げ、この場を去ろうとした。そのため、私は慌てて彼を引き止めた。
「シド!」
「何?」
「ベリーと服を用意してくださったんですよね。とっても素敵なワンピースをありがとうございます」
彼にこそお礼を言わなければと、急いで感謝を伝える。すると、シドは感情の揺れを見せることなく、口を開いた。
「始末書の仕事をちゃんとしてたから、まあ……初任務の褒美ってとこ。別に礼なんていいよ」
「そう言われても、やっぱりお礼は言いたいです。本当に本当に嬉しかったんですっ……」
いけない。こんなところで泣いたら、情緒不安定な人だと思われてしまう。
久しぶりの仕事を認めてもらえる感覚に、思わず涙しそうになったが、何とか気合で食い止めた。
その代わり、私は彼にこれからの決意を宣言した。
「シド、私もっと頑張ります!」
「何を?」
「あなたの期待に応えられるよう働きます」
「っ……そう。本当にあんたって……はいはい、明日からも頑張ってよ」
シドは適当にいなすような言葉を私にかけると、何とも言えない困ったような顔のまま、部屋に戻って行った。
その後、私も残りの用事を済ませ、構えてくれた自室のベッドに潜った。
そしてさきほどのシドの言葉を思い出し、自分で考えて働けるようになるために、早く仕事を覚えようと自身を鼓舞した。
そうしている間に、私は気付けば眠りについていた。実に一年ぶりの熟睡だった。
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