婚約破棄されたので、滅びゆく祖国を見捨てました
メル=ヴォイス聖王国――そこは、“魔力”を穢れとして忌み嫌う国。
女神の授ける神聖力のみが許された、悪きものから守られた楽園だと思われて二百年。
唯一の公爵家の令嬢クオレ・クランスヴァルドは、幼い頃に第一王子マイルズの婚約者となった。
だが七歳の時、ミスリル鉱山で行方不明になったことをきっかけに、彼女は前世の記憶を取り戻す。
かつて龍脈を守護していた古きドラゴンとしての記憶を。
その代償として莫大な魔力を宿したクオレは、この国では生きていけなくなった。
ところが、王家はクオレが不治の病 “竜皮病” に罹り容姿が変化してしまったことを責め、婚約破棄を突きつけてきた。そして、穏便に婚約を解消する代わりに、公爵領を明け渡せと。
だが、それはクオレ達にとっても望んでいた結果だった。
「かしこまりました」
婚約破棄を機に、公爵家は領民全てを連れて国を捨てた。
誰も知らなかったのだ。
公爵領の繁栄を支えていたのが龍脈であり、クオレこそがその守り手だったことを。国を魔物から守っていたのも、神聖力などではなく、龍脈だったことを。聖女の結界など、初めから存在しなかったことを。
クオレが去った日から、王国は急速に崩壊を始める。
王城はダンジョンへと変貌し、教会には魔物が溢れ、肥沃だった大地は枯れ果てる。魔力を否定し続けた国は、魔力なくして生きられない世界の理から見放されたのだ。
一方、新たな土地へ移り住んだクオレ達は、龍脈と共に新しい国づくりを始めていた。
全18話。完結まで制作済み。1日1話、朝6時に投稿します。
※表紙はAI作成しました。
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