「地味で華がない」とクビにされた私、世界的巨匠に“怪物の演技力”を見初められる〜捨ててきた元カレが縋り付いても、もう遅い〜
「地味で華がないおばさん。隣にいるだけで恥ずかしいんだよ」
7年間、看板タレントの「影武者(スタンドイン)」として酷使され、
人気俳優の元カレには毎晩のように演技のゴースト指導をしてきた長谷川しほ(26歳)。
しかし元カレは看板タレントと浮気し、しほをゴミ箱へ合鍵ごと投げ捨てた。
事務所の社長からも「違約金を払いたくないから」と、一切の権利を放棄する合意書を突きつけられ即日解雇。
すべてを失ったしほが最後に受けたのは、
国際的鬼才・黒木慶悟監督の極秘オーディションだった。
化粧気のない地味な女が、カメラの前に立った瞬間——室内の空気が凍りつく。
そこにいたのは、他者の魂を毛穴単位で憑依させる「本物の怪物」だった。
「見つけた……! 俺の映画を完成させる最後のピースだ」
世界三大映画祭のレッドカーペットへ瞬く間に駆け上がっていくしほ。
一方、しほという「本物の土台」を失った元カレと看板タレントは、現場でボロを出して大炎上。事務所は倒産の危機に瀕する。
血相を変えて「やり直そう」「育てた恩を返せ」と縋り付いてくる元カレと社長。
けれど、世界に羽ばたいたしほは、冷ややかな瞳で静かに小首をかしげるだけ。
「……失礼ですが。どちら様でしたっけ?」
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