魔の鴉がやってくる。『黄金樹』
伊藤芯治(いとうしんじ)は、二十四歳になるが生まれ育った市営住宅の一室で、職業も持たず暮らしていた。
彼は、祖母から受け継いだ<黄金樹>という鉢植えの木を育てており、その木がつける黄金の実は一粒50万円で買い取られるので、それを収入としていた。
他人や世の中に興味を持たずに生きていた伊藤だったが、ある日隣の部屋に越して来た桐緒(きりお)と名乗る女性に一目惚れしてしまう。
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