それ、どんなチケット?~売られたチケットは、50%オフでした~
社畜の大野渚沙(おおのなぎさ)は、今…まさに死のうとしていた。
そこにけたたましく鳴る、呼び鈴の音。
ほっといて死ねばいいのに、渚沙は天井からぶら下げたロープに首を引っかけるのをやめる。
しばらく経過してから開けたドアの向こうには、腰を超える長さの銀髪の外国人らしき男が立っていた。
「…なんですか?」
いかにも胡散臭そうな雰囲気のその男にそう声をかけると、彼は言った。
「大野渚沙さん。今、絶とうとしていたその命を私が消してもいいですか?」
と。
たしかに自分でその命を絶とうとしていた渚沙は、彼にそう言われて咄嗟に言い返す。
「…え。ヤですけど」
と。
「またまたー、冗談でしょ? 死のうとしてたんなら、同じことでしょ? 別に、その命が私の力で失くなっても」
目の前の彼がそう言ったと同時に、目の前は真っ白に。そして、反射的に閉じていた目を開けた時、目の前にはそれまでとは違う景色がそこにあった。
「ここは?」
そう問いかける渚沙に、さっきの姿はほぼそのままで衣装だけが違う彼が告げた。
「ここは我ら神が暮らす聖域。君には異世界行きのチケットを買ってほしいんだよね」
神様が渚沙にそうお願いした理由には、うっかりものの神様たちのやらかしがあったのだが。
「そんな胡散臭い人から胡散臭いものを買うわけがないよね? なんで俺が選ばれたのかしらないけど、無茶苦茶すぎる」
「まあ、まあ。そう言わずに、一回死んだと思ってさ。人生やり直すチャンスがもらえたと思って、買ってよ。安くしとくよ? …あ。可愛い女の子がいなきゃ嫌とか、可愛いペットが一緒ならとか希望があれば、可能な限り応えるよ?」
目の前のどこか眩しさすら感じる男が語る話を聞きながら、渚沙は思っていた。
(ただの押し売りってヤツなんじゃないのか? これ)
そう思いはしたものの、この場所から戻る術はなく。かつ、話の続きを聞けば元の世界の自分は、もういないらしい。
「わかった。わかりました、買えばいいんでしょ? 買えば。…でも、支払いはどうやって? 元の世界の金自体、持ち合わせてないんだけど」
タダより高い物はない。新しい人生がタダのはずがない。胡散臭いやつが売りつける物が、タダなわけない。
そう考えつつ問いかけたそれに、自称神様はこう言った。
「次の世界で君が生きていくだけで、自動で支払われていくから大丈夫だよ」
胡散臭い笑顔を浮かべた彼がそう告げた直後、またあたりが白く発光し、彼の声だけが聞こえた。
「せっかくだから、楽しんでみなよ。今までの生き方なんか、忘れちゃってさ」
そんな感じのことを言っていた気がする。
よく知らない場所で目を覚ました時には、そのことはボンヤリとしか憶えておらず。
気がつけば、どこかの部屋の鏡と向き合う自分がいた。
そこにけたたましく鳴る、呼び鈴の音。
ほっといて死ねばいいのに、渚沙は天井からぶら下げたロープに首を引っかけるのをやめる。
しばらく経過してから開けたドアの向こうには、腰を超える長さの銀髪の外国人らしき男が立っていた。
「…なんですか?」
いかにも胡散臭そうな雰囲気のその男にそう声をかけると、彼は言った。
「大野渚沙さん。今、絶とうとしていたその命を私が消してもいいですか?」
と。
たしかに自分でその命を絶とうとしていた渚沙は、彼にそう言われて咄嗟に言い返す。
「…え。ヤですけど」
と。
「またまたー、冗談でしょ? 死のうとしてたんなら、同じことでしょ? 別に、その命が私の力で失くなっても」
目の前の彼がそう言ったと同時に、目の前は真っ白に。そして、反射的に閉じていた目を開けた時、目の前にはそれまでとは違う景色がそこにあった。
「ここは?」
そう問いかける渚沙に、さっきの姿はほぼそのままで衣装だけが違う彼が告げた。
「ここは我ら神が暮らす聖域。君には異世界行きのチケットを買ってほしいんだよね」
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「そんな胡散臭い人から胡散臭いものを買うわけがないよね? なんで俺が選ばれたのかしらないけど、無茶苦茶すぎる」
「まあ、まあ。そう言わずに、一回死んだと思ってさ。人生やり直すチャンスがもらえたと思って、買ってよ。安くしとくよ? …あ。可愛い女の子がいなきゃ嫌とか、可愛いペットが一緒ならとか希望があれば、可能な限り応えるよ?」
目の前のどこか眩しさすら感じる男が語る話を聞きながら、渚沙は思っていた。
(ただの押し売りってヤツなんじゃないのか? これ)
そう思いはしたものの、この場所から戻る術はなく。かつ、話の続きを聞けば元の世界の自分は、もういないらしい。
「わかった。わかりました、買えばいいんでしょ? 買えば。…でも、支払いはどうやって? 元の世界の金自体、持ち合わせてないんだけど」
タダより高い物はない。新しい人生がタダのはずがない。胡散臭いやつが売りつける物が、タダなわけない。
そう考えつつ問いかけたそれに、自称神様はこう言った。
「次の世界で君が生きていくだけで、自動で支払われていくから大丈夫だよ」
胡散臭い笑顔を浮かべた彼がそう告げた直後、またあたりが白く発光し、彼の声だけが聞こえた。
「せっかくだから、楽しんでみなよ。今までの生き方なんか、忘れちゃってさ」
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気がつけば、どこかの部屋の鏡と向き合う自分がいた。
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