塵令嬢は放浪王子に拾われて、溺愛スローライフの旅に出た。

「お前はイルムトゥラウト伯爵家の塵だ、出ていけ!」

私はクララ。
ビュッサー侯爵から魔女の烙印を押されて婚約破棄された。もちろん冤罪だ。
直後、両親から塵認定されて追放されてしまった。

「神はあなたを見放された。立ち去れ!」
「そんなっ、神父様……!?」

領内の教会は恐ろしく無慈悲。
あてもなく歩き続け、領外の街道近くの古びた祠で絶望していた時……

「おい、そこの女。生きてるか?」

月明かりの下、白馬に乗った異国の王子アシェルに拾われた。
奴隷かペット扱いでもされるかと思ったら……

「俺がお前を、もう一度笑わせてやる」

すこぶる面倒見のいい王子。
国公認の放浪の旅は資金も潤沢で、なんだかんだ至れり尽くせり。

無実の私を追放するような家なんて、帰りたいとも思わない。
風の吹くまま気の向くまま、人生を謳歌する王子と一緒にいてもいいわよね?
24h.ポイント 127pt
1
小説 8,023 位 / 183,928件 恋愛 3,653 位 / 55,997件