断罪ルートの悪役貴族に転生した元経理、破滅回避のため経費削減しただけなのに「民を想う名君」と勘違いされ始めた
その節約、救国と呼ばれています。
過労で死んだ万年経理の真壁修一が目を覚ますと、そこは前世で読んだ小説の世界。転生先は三年後に浪費と重税で民に吊るされる悪役貴族、ヴォルフ・グランツベルその人だった。
死因は決まっている。「金」だ。ならば経理の出番だ。
断罪回避のため、修一は帳簿と向き合う。愛人手当を全廃し(愛人たちには適正な退職金と再就職先を斡旋)、無駄な夜会をやめ、横領していた家令をクビにし、浮いた金で壊れた橋を直した——すべて「処刑されたくない」だけの経費削減。
だが領民には違って見えた。「愛人を囲うのをやめ、贅沢を捨て、私腹を肥やす者を斬り、民の橋を直した」——気づけば「改心した名君」の噂が領を越え、王都からは監査官が、隣領からは縁談が、そして史実で自分を断罪するはずの「主人公一行」までもが視察に来てしまう。
帳簿しか見ていない男の節約が、亡国寸前の王国を少しずつ黒字にしていく勘違い内政譚。
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