落第寸前の地味魔術師、実は禁書庫に名を刻まれた最後の大賢者
杖も詠唱も苦手。ただし、世界に直接“書ける”。
王立アストレア魔術学院の三年生・権三郎は、進級査定で下から四番目の「要再考」を押された落ちこぼれ。幼馴染のアリサにも見限られ、天才貴公子レオンの影で笑われる日々を送っていた。だが、権三郎が苦手なのは杖と詠唱を使う「現代魔術」だけだった。七歳の頃に拾った大賢者オズヴァルドの手稿断片を独学で読み解いた彼は、失われた古代魔術――世界そのものへ直接術式を書き込む術理を修めていた。六日前、大陸北方で発生した魔穴の災厄を封じた第十三位階の術式。その署名が学院地下の禁書庫と共鳴し、王国魔術院が「五百年ぶりの大賢者」を探しに学院へ乗り込んでくる。誰もが天才レオンこそ後継者だと信じる中、五百年閉ざされた扉が選んだのは、誰にも気づかれなかった地味な落ちこぼれだった。肩書も栄光もいらない。欲しいのは図書館と静かな放課後だけ。
これは、世界最強の地味魔術師が、必要な時だけ世界を書き換える物語。
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