失脚宰相は休みたい――田舎の村長に、仕事抜きで溺愛されています
「君はもう宰相ではない」
政争に敗れ、職を失ったセヴラン、三十八歳。
今度こそ休もうと、自分の蓄えで田舎の宿に長期滞在することにした。
ところが、何もせずに過ごすのは難しい。
宿の手伝いを探し、人の用事を引き受けようとしては、また自分から仕事を増やしかけてしまう。
そんな彼を河原へ誘ったのは、三つ年下の村長ラウルだった。
用件は、夕焼けを眺めながら菓子を食べること。
明朗で率直なこの男といると、どうにも調子が狂う。
二人で作った凧はちっとも飛ばず、格好をつけようとすれば笑われる。
それなのに、宿へ帰る頃には、もう次に会う日を考えている。
人の頼みを断れない元宰相と、自分もつい責任を抱え込む村長。
不器用な二人の間に育つのは、会いたい、触れたい、もう少し一緒にいたいという、仕事には使い道のない望みだった。
そこへ王都から、セヴランを追い落とした政敵の使者が訪れる。
要求は、現宰相の後始末と、同意した覚えのない方針への署名。
――もう、自分の時間を差し出すつもりはない。
年下の村長×休息も恋も下手な年上元宰相。
肩書を離れた男が、自分から甘え、望み、恋を選ぶ異世界BL。
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それなのに、宿へ帰る頃には、もう次に会う日を考えている。
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