王兄殿下の愛され花嫁


 ――奴隷に情をかけてはならない。
 それが、この国の常識だった。

 けれどベルナには、どうしても幸せにしたい人がいた。
 それは、悪役の娘に仕える“奴隷”――ロキ。

 寡黙でクールなワイルド系イケメン。
 彼は、ベルナの“推し”だった。

 だが、この国で奴隷に人間らしい扱いをすることは、許されない。
 そこでベルナは画家として巨万の富を得て、グロリアーナの婚約者に選ばれる。
 そして傲慢な貴族になりきるベルナは、様々な手を使ってロキを甘やかすことにした。

「君が一流品を身につけていなければ、グロリアーナ様が周りから舐められるだろう!」
(安心して! お友達の分の服も買ってるよ!)

「食事はきちんと摂っているのか? グロリアーナ様を守るためにも、食事は三食しっかりと摂るように」
(たくさんおかわりしていいからね! お土産のプリンもあるから!)

「グロリアーナ様の護衛なら、伝説の剣くらい装備しておくべきだ」
(僕の手作りのお守り付き!)

 服を買い、食事を共にし、装備を贈る――
 それはすべて、ロキの幸せのため。

 嫌われたってかまわない。
 彼が笑って生きてくれれば、それでいい。


 ――推し一筋の青年による、“全力溺愛ミッション”が、今はじまる。




 竜狩り民族のワイルド系イケメン × 好きな人の前でだけ、若干ぽんこつ(?)な美青年




 ※ R-18
 エピローグ以降に予定。
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