処刑まであと三日ですが、ごはんが美味しいので困ります
侯爵家の長女ヴィオラは、十二歳から十年間、領地の実務をひとりで担ってきた。帳簿、税、陳情、婚礼、葬儀――「少し」のはずだった仕事は、気づけば全部だった。
妹の毒殺未遂の罪を着せられ、処刑を待つ牢の中。ヴィオラが気にしているのは、無実の証明でも、命乞いでもない。
「これ、何のスープですか」
「玉ねぎを、先に炒めていますね」
生真面目な牢番クレイは、日に日に調子が狂っていく。処刑を待つ身のはずなのに、聞いてくるのは献立の話ばかり。
十年ぶりの休暇を、ヴィオラは牢の中で満喫していた。
妹の毒殺未遂の罪を着せられ、処刑を待つ牢の中。ヴィオラが気にしているのは、無実の証明でも、命乞いでもない。
「これ、何のスープですか」
「玉ねぎを、先に炒めていますね」
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十年ぶりの休暇を、ヴィオラは牢の中で満喫していた。
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