おはな日記

江戸の米問屋「穂積屋」に奉公へ出された十一歳の少女、おはな。

まだ字を覚えたばかりの彼女は、日々の中で心に残った出来事を、こっそり紙へ書きつけていく。

けれど、おはなはとても素直で、少し世間知らず。

旦那さまの見栄も、番頭のため息も、おかみさんの怖い笑顔も、手代の情けない失敗も、見たまま聞いたまま日記に残してしまう。

本人は大まじめ。

けれど大人が読めば、なぜだかおかしく、少しだけ胸があたたかくなる。

米俵の匂い、雨の店先、台所の湯気、人の嘘と情け。

小さな丁稚の目を通して、江戸の商家に暮らす人々の毎日を描く、笑いと人情の時代日記物語。
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