憑かれ少女と悪霊は神隠しで異世界日本にきてしまったようです

 曰くつきの少女。彼女の心の中には別の人物がいた。
 そいつは悪霊と呼ばれる存在である。

 憑りつく一年前、少女は過去のいじめにより、自殺未遂を起こして人間不信になり、一人では不安になってしまう障害をもっていた。一方の悪霊は誰かに憑いていなければ、食事が出来ない存在。
 
 奇跡的に出会った二人は、共に足りないところを補い、依存しながら日常を楽しく過ごしていた。
 そんな彼女らは毎夜出かけていた。悪霊の栄養となる同族を食らうために。

 その次の日の朝、出かけていると不穏な空気が漂う場所に引きずり込まれてしまう。
 そこは、神隠しが多発していた。

 場所は――住宅街の裏道。

 地から空へ飛ばされたことで、意識を失った少女の代わりに悪霊が難なく降り立ったその場所には、北欧神話の魔物や日本の妖などと呼ばれる存在がいる世界。
 知らない言語があるところで混乱していると、着物を着て刀を帯刀している女武者が現れ、助けてくれて一緒に住むことに。

 非力な少女と悪霊は、自分達を二重人格と偽り、異世界日本で暮らしながら元の世界に帰る情報を探していく。
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