『預言はすでに成就しているので、私はただ記録精霊に従っただけです ~水路が開いた夜、あなたの王国は終わりました~』

『預言はすでに成就しているので、私はただ記録精霊に従っただけです』

水は語らない
ただ、満ちるか、退くかを選ぶだけ

石の都は誇っていた
この流れが尽きぬ限り
我らは落ちぬと

だが、流れは意思ではない
ただの条件だ

止めれば、止まる

「水は退き、門は開かれる」

それは奇跡ではない
祈りでもない
救いでもない

ただの記録だ

あなたたちが積み重ねた選択の
行き着く先を
先に書き留めただけのもの

私は見ただけ
触れてはいない

ただ、問いを重ねただけ

どこで流れが分かれ
どこで遅れが生じ
どこで無視されたかを

精霊は答えた

「一致しています」

その夜
滝の音は消えた

水路は沈黙し
風は乾き
石は軽くなる

誰かが気づいたときには
すでに道は現れている

足音は静かで
叫びは遅く
灯りは意味を持たない

門は開いたのではない
開いていたのだ

最初から

「まだ間に合う」と
誰かが言った

精霊は答える

「分岐点は既に通過しています」

私は頷いた

それだけ

崩れたのは都ではない
選ばれ続けた結果だ

預言は未来ではない

ただ
終わりまで書かれた記録だ

そして私は

それに従っただけだ

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