星に生かされ続ける宿命を持つ僕は、終わりを諦めて生命を分け与える旅に出ることにしました。
遥か昔、僕はこの世界を救った。
滅びに向かっていた世界を、世界中の大魔法使いたちとともに、各々が命懸けの魔法で世界を包み癒した──それが、僕の前世。
だからだろうか、前世と同じ世界に生まれて、前世の記憶はあっても魔力の欠片さえない今世僕は、滅びからはまぬがれどもいまだに魔王がのさばる世界の中を、尋常ではない生命力のみで生きていた。
この身体はいくら魔物に攻撃されても、重症を負っても、叫びながら崖にダイブしたくなって実際にダイブしても、魔法ではない何らかの不思議な力に、毎回生かされてしまう。
ドMなわけじゃあないのに、武器さえまともに扱えないひ弱なこの身体で戦乱の世を歩まねばならない僕の唯一の武器は、生命力そのもの。
偶然遭遇した魔王さえ、生命力をサーチしただけで笑顔で手を振って去っていった。
どうあっても、この命は終わりに向かってはくれない。
ならばとっとと前途ある勇者の一行を見つけて、この生命力を勇者に託そう。
そうすれば魔王も去る、世界は平和になり、僕はやっと傷を負い続けて痛すぎるのに回復し続けてしまう悪夢の日々から解放されて安眠できるわけだ。
問題は、どう「渡す」かなのだが──
──これは、世捨て人と化した一人の凡人が、異常とも言える「生命の力」で再び世界を救いに生(行)かされてしまう、笑いあり涙ありの物語。
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