朱墨口紅 ——彼らは書の道を愛した
宝石のような数々の才能に恵まれながら、どうにも不器用な千葉稔。彼は高校の書道教師に見出され、書家の息子として尋常でない稽古を重ねてきた青年、野菊昌之助と出会う。
ブドウジュース、コーンスープ、冬の公園、ひまわり、たんぽぽの花……。焔のように情熱を燃やし尽くした日々へ、静かに差しこまれるいくつもの大切な思い出の数々。
書への愛を誓った彼らの結末は、彼らの心だけが知る、大切な想いの結晶。
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