後宮御用達、月影宮の宿
後宮因縁おくり・死者の宿と孤独な内侍が送る中華風後宮伝奇ファンタジー。
没落貴族の出でありながら、なぜか後宮で内侍をしている私――夜鷹。
つくづく人生というやつは、期待を裏切るのが得意である。出世街道?そんなもの、私の生家と一緒に瓦解した。
そんな私に、よりにもよって王命が下った。
行き先は“誰も近寄りたがらない”と噂の廃宮。
理由は簡単、「様子を見てこい」。どうせ、他の誰も行きたくなかったのだろう。
ところが、廃宮はただの廃墟ではなかった。
そこで私は――
死者の宮に囚われた月影貴妃と出会ったのだ。
王の寵愛を受け、十年前の事件の渦中で忽然と姿を消したはずの女性。
その存在は、後宮が抱え込んできた闇と、王家が隠してきた秘密そのものだった。
気づけば私は、彼女の囚われの理由を探る羽目になり、十年前の事件の真相を引きずり出す泥仕事に首まで浸かることに。
――やれやれ。
没落した家の名を恨むのはやめた。
どうやら、私はこういう厄介事に好かれているらしい。
ここだけの話、私は月影貴妃の虜になってしまうのだ。
それは、愛してしまう。
没落貴族の出でありながら、なぜか後宮で内侍をしている私――夜鷹。
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