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第四章 これから先の人生はイージーモードでお願いします
面倒くさいからじゃないわよ
しおりを挟む取り敢えず、この町を基盤として活動をすることに決めた。
面倒くさいからじゃないわよ。アクセに行く必要性を感じないから。……まぁ正直に言うと、少しまだわだかまりが残ってるのよね。貴族ではない、大勢の見知らぬ人からの悪意と増悪に晒されたのは初めてだったし。グリード公爵の一員として認められてるって、盛大な勘違いをしてたって気付いたからね。
どんなに自分を戒め生活しても、新しい家族を得ても、元ランク公爵家の人間だって突き付けられた。鬼畜で悪魔の血を引いてるってね。逃れられないんだって、身に沁みて知ったよ。お父様やお母様、義兄様たちが必死で訂正してくれたことは嬉しかったけどね。そのせいで、領民との間にわだかまりが出来たのも事実。それが未だに解消されていないことは、私でも気付いてる。
今は、姿が違うから何も言われないってわかってても、悪口や噂はあると思うのよね。だったら、わざわざ嫌な思いをする必要ないでしょ。逃げてるわけじゃないけどね……
それにしても、ほんと早いものね。あれから、もう四年以上経ったんだよね……
この四年間、一度も領地に足を踏み入れていない。当然、アクセにも。だから、甥っ子と姪っ子にも領地では会ってないわね。王都に来た時に会っきりだから、一回だけね。それも、一時間程。まず、私の顔覚えてないでしょうね。
溝があるのはわかってるわ。でも、その溝を自分から越えようとは思わない。ましてや、埋めようなんて考えてない。程々の距離感が一番良い関係だって習ったからね。お父様たちは納得していないみたいだけど。こればかりはね……
だからアクセには行かないで、コットで仕事することに決めたの。
そうと決まれば、やることは、まずレベル上げとハンターのランクを上げることかな。リラとしてはハンター初心者だからね。基礎に戻って、薬草採取と魔物退治にせいをださないと。目下の目標はDランクかな。Dランクなら、かなり幅がある仕事ができるからね。
後は、住む場所を探さないとね。いつまでも、宿屋ってわけにはいかないでしょ。確かに、お金はあるよ。ゼリアス様のおかげでね。でもさぁ、お金って使ったらなくなるのよ。ほんと、羽根が生えて飛んでいっちゃうのよね。知らないうちに。
なので、拠点が欲しい。いざという時に逃げ込める場所。出来れば、町中よりも、あまり人と接しない辺鄙な場所の方がいいわね。
そうと決まれば、薬草採取しながら探すとしましょうか。
取り敢えず、やるべきことを箇条書きにして、一つ一つ潰していけばいいわね。
まずは、ハンターランクをDランクに上げる。なので、受付嬢に訊いてみた。ギルドによって、倒す魔物が違うからね。
「すみません。Dランクに上がるには、どの魔物を討伐したら上がりますか?」
「魔犬十頭が基準となります」
ハンターになったばかりの小娘がって顔をしながらも丁寧に教えてくれた。プロだね。
倒すのは魔犬か……うん、楽勝ね。
じゃあ、魔犬探しに出発!!
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