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一章
⑦
しおりを挟む何か真剣みが帯びた空気が漂って嫌に入りづらいが、負けないぞ。
獲物を背後から狙うが如くゆっくりと近付き、その広い背中に襲い掛かろうとした瞬間、偶然垣間見えたモジャ毛のツラに、自然と身体が動いた。
「しっ、仕方ないから美濃くんも僕のものにしてあげてもいっ…」
「らっせらぁーぃ!!」
モジャ毛は星になった……ごめんなさいふざけました訂正。
真顔で放った右ストレートが綺麗に顔面へと決まり、近くの金網までぶっ飛んでいったのが真実です。てへぺろ。
いきなりのことに目をパチクリさせる広太と、僕。
え、なんでお前も驚いているのかって?
考えてもみろよ、僕ただの帰宅部で筋肉なしのひょろいもやしっこだぜ?
攻撃力なんざ無に等しいパンチ食らってまさか、ぶっ飛ぶとか。モジャお前…。
心なしかぐったりとうなだれて気絶しちゃってるモジャを暫し見下ろして、広太と顔を見合わせる。
無言で首を左右に振り、肩を竦める広太。
沈黙が場を包み、うんと互いにはにかんだ笑みで頷き合うと、無言で屋上を去った。
結論。考えた末、今回の出来事は二人の中で無かったことになりました、まる
…オチが最低だと思ったやつ、表出ろ。お金出して土下座してやるよ。全力でな!!
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