髪に宿る誇り

明治五年――文明開化の激流の中、東京・銀座に生きる一人の女教師がいた。
名は澄江。女子師範学校で教鞭を執る彼女は、政府からの“断髪令”に直面する。

「女性も髪を切り、洋装をせよ」
時代の流れは、女性の髪型までも飲み込もうとしていた。

それでも澄江は、己の信念を貫いた。
和装を守るために――その象徴である日本髪を、自らの手で剃り落とした。

坊主頭となった女教師は、冷たい視線と嘲笑の中で教壇に立ち続ける。
だがその姿は、やがて少女たちに“誇り”と“自由”を教え、
社会を静かに、しかし確かに変えていく。

髪を失い、得たものは何か。
女性としての尊厳と、生きる意味を問い直す、感動の歴史長編。
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