父に虐げられてきた私。知らない人と婚約は嫌なので父を「ざまぁ」します

それは幼い日の記憶。

「いずれお前には俺のために役に立ってもらう」

 もう10年前のことで鮮明に覚えているわけではない。

「逃げたければ逃げてもいい。が、その度に俺が力尽くで連れ戻す」

 ただその時の父ーーマイクの醜悪な笑みと

「絶対に逃さないからな」

 そんな父を強く拒絶する想いだった。

「俺の言うことが聞けないっていうなら……そうだな。『決闘』しかねえな」

 父は酒をあおると、

「まあ、俺に勝てたらの話だけどな」

 大剣を抜き放ち、切先で私のおでこを小突いた。

「っ!」

 全く見えなかった抜剣の瞬間……気が付けば床に尻もちをついて鋭い切先が瞳に向けられていた。

「ぶははは!令嬢のくせに尻もちつくとかマナーがなってねえんじゃねえのか」

 父は大剣の切先を私に向けたまま使用人が新しく持ってきた酒瓶を手にして笑った。


 これは父に虐げられて来た私が10年の修練の末に父を「ざまぁ」する物語。
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