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第218話 探索

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 如何にも権力を振りかざして、絵に書いたように下衆なことを企んでる、小太りの中年エルフを見た後、俺は王宮内を見て回っていた。
 勿論、誰にも気づかれないようにだ。

 すると、一際ひときわ厳重な警備の部屋を見つける。普通なら扉の前に二人ぐらいの警備がいる程度だろう。
 だが、扉の前には東西南北を二人づつが見れるように8名の手練れっぽい兵士がいて、その近くには100人近い普通の兵士がいる。

 そして俺はこの厳重な警備の中身に心当たりがある──〝八柱の大結界〟の〝魔術柱コムルナ〟だ。
 まあ、今は別に、それはどうでもいいんだけどな?

 見つかっても面倒か……
 と、俺はそそくさと、その場を後にするのだった。

 そして俺は気づく、まだこちらには気づかれてはないようだが、天井に何かいるな?
 いち早くそれに気づけた俺は距離を取る。

 流石は敵地のド真ん中。次から次へと敵がでてくる。

 そうして俺は引き続き王宮の中を探索する。

 フォルタニアを見つけたいんだがな。
 まだ無事だよな? 何にせよ早く見つけちまわねぇと。

 すると、俺は応接室のような場所を発見する。
 そして次に部屋からな物が出てくる。

 腕と両足を真っ直ぐに伸ばした状態で、ハイハイをする、身なりだけは王族っぽいエルフの男性だ。

「おい、そこの兵士」

 あ、やべ。驚きすぎて、隠れそびれたよ。
 こんな不意打ちあるのかよっ!

 つーか、エルフの国どうなってんだ?
 あいつがロキの言ってた第二王子だったらさすがに驚くぞ。

「ハっ、何かご用でしょうか?」

 仕方がないので俺は兵士を演じる。

「踏んでくれないか?」
「…………は?」

 いやいや、素で返しちまった。
 俺、演技力無いのかな……?

「失礼しました。どういう意味でしょうか?」
「そのまんまの意味だ。私の顔を君の足で踏んで欲しい」

 どうしよ、説明を受けたが意味が分からない。
 むしろ謎が深まったまである。

「丁重にお断りします」
「はうわっ、だが断られるのも、また一興だな!」

 やべ、コイツぶれねぇ。
 ロリコン紳士のクシェラを彷彿させるな。

「そうだ、フォルタニア様はどこにいらっしゃいますか、ご存知ですか?」
「我が妹なら、そこの応接室の中にいるぞ」

「そうですか、ありがとうございます」
「私に礼を言うな! 恩があるなら踏んでくれ!」

「考えときます、では、先を急ぎますので」

 そう言い俺は応接室の中を覗く──。
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