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第250話 剣斎vs屍7
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エルルカの刃がシリュウを捉える。だが、シリュウも易々とは斬られてはくれない。
シリュウはエルルカの刃が当たる場所に魔力を集中し、強く纏い、刃を受けた瞬間──
──ドュォォォォォォォォォォォン!!
魔力と魔力がぶつかり、爆音と共に旋風が吹き荒れる。
それでも僅か、エルルカが押される。
エルルカの焔で辺り一帯が焼ける。それはシリュウを束縛していた火澄の魔法で作られた樹も例外ではない。
魔力を纏い、エルルカの刃を凌いでいたシリュウだが、今のエルルカの攻撃により、纏っていた魔力が相殺され、防御が衰える。
互角以上に持っていった。
そう思ったシリュウだが──
胸部から横腹にかけて激しい痛みが走る。
「!?」
簡単な話だ。エルルカがもう一本の刃でシリュウを斬ったのだ。
エルルカは二刀流だ。最初の一撃は右手に握られた一本のドスで斬りつけられた物、そしてシリュウの魔力防御が破壊された今、隠していた左手に握られた、もう一本のドスで斬りつけた。
最初の一撃に大半の魔力と魔法を使ってしまい、二撃目の威力は大分落ちたが、無防備のシリュウを斬る威力としては十分だ。
「がはァ!」
吹き飛ぶシリュウ。噴水のように血飛沫が上がる。
シリュウは咄嗟に後ろに飛び、少しでもダメージを軽減しようとしたのは経験値の差とも言えるだろう。
結果から言おう、シリュウは致命傷を免れた。これはエルルカのミスでは無い。
強いて言うならば見事な迄のシリュウの功績だ。
後ろに飛んだシリュウは、エルルカの刃を内蔵まで届かせなかった。
だが、ダメージは大きい。左胸部から右脇腹にかけて斜めに斬られており、骨まで斬れている。オマケに刃にはエルルカの魔法で火魔法が組み込まれていた。
裂傷、大火傷、骨折──シリュウは戦闘続行は誰が見ても不可能であった。
「死死死死……参りましたね」
それでも尚、笑える胆力は上記を逸していた。
「悪いけど、手加減も譲歩もできないの。捕まえても何も話さないだろうし、人類を守る、王国魔導士団の一人として──〝魔王信仰〟のNo.2〝屍〟シリュウ・ブラック。ここで私の手で殺させて貰うわよ?」
「死死死死……」
シリュウは両手を上げる。降伏のポーズだろうか?
その時だ──
空から何かが落ちてきたのは。
「グェェェ!」
大きな黒い鳥だ。足にはテイムの輪が付いている。
「来てくれましたか! 死死ッ──夜叉鴉!」
シリュウは夜叉鴉の足に捕まる。
「死死、もう貴方と会うことは無さそうだ」
「……? 待ちなさい!!」
シリュウを連れた夜叉鴉が空高く飛び上がって行くと──ドンッと地面を蹴り、エルルカは跳躍し後を追う。すると夜叉鴉がエルルカに向け魔法を放つ、紫色の毒の弾だ。だが、気にせずエルルカは、魔法を捌き着実に距離をつめる。
途中、小さな魔法陣を展開し、足場にして──跳躍するを事を繰り返し、飛んでいく夜叉鴉を追う。
「死死死死、後は任せましたよ?」
そうシリュウが呟いた瞬間──〝魔王信仰〟の大群が現れる。1000人いた残りの人数がエルルカに向け、一斉に飛びかかって来る。
「またなの!? アルタイル達は何をしてるの!!」
1000人いた時を考えれば、半分の500人ぐらいには減ってはいるが、それでも見す見す全員を此方に向かわせるとは、失態と言っても差し支え無いだろう。
シリュウはエルルカの刃が当たる場所に魔力を集中し、強く纏い、刃を受けた瞬間──
──ドュォォォォォォォォォォォン!!
魔力と魔力がぶつかり、爆音と共に旋風が吹き荒れる。
それでも僅か、エルルカが押される。
エルルカの焔で辺り一帯が焼ける。それはシリュウを束縛していた火澄の魔法で作られた樹も例外ではない。
魔力を纏い、エルルカの刃を凌いでいたシリュウだが、今のエルルカの攻撃により、纏っていた魔力が相殺され、防御が衰える。
互角以上に持っていった。
そう思ったシリュウだが──
胸部から横腹にかけて激しい痛みが走る。
「!?」
簡単な話だ。エルルカがもう一本の刃でシリュウを斬ったのだ。
エルルカは二刀流だ。最初の一撃は右手に握られた一本のドスで斬りつけられた物、そしてシリュウの魔力防御が破壊された今、隠していた左手に握られた、もう一本のドスで斬りつけた。
最初の一撃に大半の魔力と魔法を使ってしまい、二撃目の威力は大分落ちたが、無防備のシリュウを斬る威力としては十分だ。
「がはァ!」
吹き飛ぶシリュウ。噴水のように血飛沫が上がる。
シリュウは咄嗟に後ろに飛び、少しでもダメージを軽減しようとしたのは経験値の差とも言えるだろう。
結果から言おう、シリュウは致命傷を免れた。これはエルルカのミスでは無い。
強いて言うならば見事な迄のシリュウの功績だ。
後ろに飛んだシリュウは、エルルカの刃を内蔵まで届かせなかった。
だが、ダメージは大きい。左胸部から右脇腹にかけて斜めに斬られており、骨まで斬れている。オマケに刃にはエルルカの魔法で火魔法が組み込まれていた。
裂傷、大火傷、骨折──シリュウは戦闘続行は誰が見ても不可能であった。
「死死死死……参りましたね」
それでも尚、笑える胆力は上記を逸していた。
「悪いけど、手加減も譲歩もできないの。捕まえても何も話さないだろうし、人類を守る、王国魔導士団の一人として──〝魔王信仰〟のNo.2〝屍〟シリュウ・ブラック。ここで私の手で殺させて貰うわよ?」
「死死死死……」
シリュウは両手を上げる。降伏のポーズだろうか?
その時だ──
空から何かが落ちてきたのは。
「グェェェ!」
大きな黒い鳥だ。足にはテイムの輪が付いている。
「来てくれましたか! 死死ッ──夜叉鴉!」
シリュウは夜叉鴉の足に捕まる。
「死死、もう貴方と会うことは無さそうだ」
「……? 待ちなさい!!」
シリュウを連れた夜叉鴉が空高く飛び上がって行くと──ドンッと地面を蹴り、エルルカは跳躍し後を追う。すると夜叉鴉がエルルカに向け魔法を放つ、紫色の毒の弾だ。だが、気にせずエルルカは、魔法を捌き着実に距離をつめる。
途中、小さな魔法陣を展開し、足場にして──跳躍するを事を繰り返し、飛んでいく夜叉鴉を追う。
「死死死死、後は任せましたよ?」
そうシリュウが呟いた瞬間──〝魔王信仰〟の大群が現れる。1000人いた残りの人数がエルルカに向け、一斉に飛びかかって来る。
「またなの!? アルタイル達は何をしてるの!!」
1000人いた時を考えれば、半分の500人ぐらいには減ってはいるが、それでも見す見す全員を此方に向かわせるとは、失態と言っても差し支え無いだろう。
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