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第291話 ノアの部屋2

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「ということで、ユキマサ君、一緒に寝よ♪」
「はぁ……お前、俺に何かされても知らねぇぞ?」

「ふふ、だからそれはそれで良いんだって♪ 既成事実、背徳的な言葉だよね。私は嫌いじゃないかな♪」
「……大聖女の言葉じゃねぇな。んっ、ん、じゃあ、お言葉に甘えてベッド借りるぞ。一応、言っとくが、超勿体ない気もするけど、既成事実だのはしないぞ?」

「ユキマサ君ならそう言うと思ってたよ。あ、さっきの私の告白の件は勿論継続でいいから、いつでも返事聞かせてね♪ まあ、まだ時期じゃないか──それもまたいいんだけどね♪ うーん、でも、もうちょっと何か特別的なものが欲しいかな。えいっ♪」

 えいっ♪ なる言葉と共にノアが俺に抱きついてきた。そのままベッドに倒れ込む。

「うんうん、やっぱ、いいなここ、好きだなぁ♪」
「そりゃどうも、って、何してんだ……?」

「腕枕かな? あ、できればハグ希望です♪」

 左腕を勝手に腕枕にするノア。
 てか、ノア、意外とグイグイ来るんだな。

 と、ノアが自分の寝るスペースをある程度決めた所で、ようやく睡眠を取るかと思いきや──

「何か、話そっか、寝るまで」

 お話タイムになってしまった。

 世界共通なのかは知らないが、女子って話し好きだよな。まあ、俺も嫌いじゃないけど?

「ちょうどいいな。まだ寝れそうに無いし」

 てか、あちらこちらが色々と柔らかすぎて、寝れる気がしない。つーか、フォルタニア→クレハ→ノアの順番で密着度が高いぞ──

「ふふ、よかった♪ そういえばユキマサ君、明日からどうするの? どこかアテはあるの? それともここにいる? ユキマサ君1人ぐらいならいくらでもかくまってあげるけど?」
「その事か、それなら少し旅に出ようと思う」

「3食お米つき♪」

 ……う……ヒモになる。
 異世界で大聖女とヒモ生活とかラノベかよ?

「……少し旅に出ようと思う」

「4食♪」
「……いや、そこまで食い意地張ってねぇよ」

 ちょっと悩んだかって?
 な、悩んでないぞ!

「うーん、残念……残念」

 本当に残念そうなノア。

「遅かれ早かれ旅には出ようと思ってたんだ」
「魔王を探しに?」

「まあ、カッコつけた名目となるとそうだな。魔王を探しに──それとアルテナとの約束を果たしにだ」
「ふむふむ、名目ってことは他に目的が?」

「そうだな、この異世界を見て回りたい。ファンタジーは好きなんだ、魔法も神様も小さい頃から憧れた」

 魔王にもな? ──っと、付け加えると、ノアは何がそんなにおかしいのか、口を隠しながらクスクスと楽しげに笑うのだった。
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