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第511話 処遇3

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 ──けったいな異世界の話を期待している。
 そんな事をこの異世界で俺に言う奴は一人しか居ない──〝ルスサルペの街〟のお団子屋〝花選はなより〟で会ったエセ関西弁のあの男のことだろう。

『なるほど、了解した。誰だか分かったよ。にしても、アイツが出てきたのか。今の人類には興味なかった筈なんだがな。あ、悪い、こっちの話だ』
『よかった。合点がいったみたいだね。これで私も少しは約束を守りながら用件を伝えられたかな♪』

 千と二十八の大変ご長寿な見た目は二十代半ばの長身で黒髪、そしてエセ関西弁の男──まだら、アイツなら魔王となった愧火キビでも、簡単に撃退できるだろう。

『ノア、お前はアイツの存在を知っていたか?』
『ううん。あの日まで知らなかったよ。世界は広いね、あんな人がいるなんて。私が戦っても、まず勝つことはできないかな。ユキマサ君はいつから知ってたの?』

『ここ最近だよ。知ってるだろ? 俺はこの世界に来て日は浅いんだ、旧知の仲とかそんな素敵な間柄じゃねぇよ。でも、いつか互いの話を肴に語り合おうと、そんな約束はした。それだけの仲さ』

『もう一つ聞いていい?』
『何だ?』

『この世界でユキマサ君の知る限りで一番強い人は誰? あ、ユキマサ君本人は抜いてね』
『その男だよ。アイツだけは格が違った。水爆にでも会った気分だったよ』

『水爆? ってのは知らないけど、よかった。あのレベルの人が実はまだ何人もいる何てなれば世界が引っくり返るからね。あ、いや、でも、人類の味方なんなら、居た方がよかったのかな』

『ちなみに第二位はお前だよ、ノア。お前も十分チートキャラだよ。いや、本当に』
『ふふ♪ 誉められちゃった。私からしたらユキマサ君のがチートキャラだけどね──』

『俺からの話は以上だ。ノアはまだ何か話はあるか?』
『無いと言えば嘘になるかな。でも今日はこの辺にしとこうか。あ、ジュリちゃん、ユキマサ君にこの〝通信石〟渡しといてもらえるかな、出来ればユキマサ君にはいつでも連絡が付くようにして置いてほしいから』

『分かりました。通信番号は10-2です』

 通信番号? 電話番号みたいな物か。

『まあ、貰えるなら貰っとくよ』
『魔力を込めると〝ステータス画面〟みたいな物が浮き上がるからそしたら通話したい通信番号を入力すれば繋がるよ♪ あ、私は1-1ね♪ 登録もできるから登録しといてね♪』

『分かった。ありがとな。それじゃあ、またな』
『うん、またね♪ 次は生身で会えるといいね♪ まあ、毎日〝通信石〟で連絡してくれても私は全然いいんだけどね♪ それじゃあね──』

 その言葉を最後に通信は切れた。
 最早普通に電話なんだよな、これ……
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